
「うちの会社、どう儲かっているんですか?」に答えられますか?
突然ですが、こんな質問をされたと想像してください。
- 銀行から
- 取引先から
- 新しく入った幹部社員から
「御社って、どうやって利益を出している会社なんですか?」
このとき、多くの社長は
一瞬、言葉に詰まります。
- 売上の話はできる
- 商品やサービスの説明はできる
- 頑張っている点も語れる
でも、
「粗利」という言葉を軸にして、
自社を説明できる社長は意外と少ない。
今回は、
シリーズ③の総仕上げとして、
粗利で、自社を説明できる社長になる
ためのワークを、
ブログ形式で一緒に進めていきます。
なぜ「粗利で説明する」必要があるのか
まず前提です。
粗利とは、
単なる会計上の数字ではありません。
粗利は、
- 会社が“戦って勝った結果”
- 市場から評価された差分
- 経営判断の成果物
です。
つまり、
粗利で会社を説明できる
= 経営を理解している社長
とも言えます。
売上説明と、粗利説明はまったく別物
多くの社長は、
会社説明をこう始めます。
「うちは年商○億円で、
主に○○をやっています」
これは売上の説明です。
一方、
粗利で説明する社長は、
こう語ります。
「うちは、○○という価値を提供して、
その結果として、
売上のうち△%が粗利として残る会社です」
この違い、
伝わるでしょうか。
後者は、
- 何に価値があるのか
- どこで勝っているのか
- どこが弱いのか
が、自然と見えてきます。
ケーススタディ①|売上は語れるが、粗利は語れなかった社長
製造業A社の社長。
- 年商:3億円
- 受注も安定
- 忙しさは常にMAX
ところが、
粗利率を聞くと、
「正確には…ちょっと分からないですね」
という状態でした。
さらに、
- どの仕事が粗利を生んでいるか
- どの取引が足を引っ張っているか
を聞くと、
すべて感覚ベース。
結果として、
「売上はあるのに、
なぜかお金が残らない」
という典型パターンに陥っていました。
粗利で説明するとは「構造を語る」こと
ここで重要な視点です。
粗利で説明する=数字を細かく語る
ではありません。
むしろ逆です。
- 分解しすぎない
- 細かく語らない
その代わり、
「どういう構造で、粗利が生まれているか」
を、
一文で語れることがゴールです。
ワーク①|まずは「粗利の源泉」を言葉にする
ここから実践です。
紙とペン、
もしくはメモアプリを用意してください。
問い①
自社の粗利は、何によって生まれているか?
例として、
こんな切り口があります。
- 技術力
- 提案力
- 立地
- スピード
- 専門性
- 継続取引
ポイントは、
「商品名」ではなく
「価値の正体」を書くこと
です。
ケーススタディ②|「商品」ではなく「価値」に気づいた社長
サービス業B社。
最初の答えは、
「○○というサービスを売っています」
でした。
しかし掘り下げると、
- 他社でも同じことはできる
- 価格競争になりやすい
という現実が見えてきました。
改めて考えた結果、
うちは、
社長が判断に迷ったときに、
数字と言葉で整理する役割を担っている
と表現が変わりました。
この瞬間、
- 価格の考え方
- 受ける仕事の基準
が、一気に明確になりました。
ワーク②|粗利が「残る理由」を一文で書く
次のステップです。
問い②
なぜ、その価値は粗利として残るのか?
ここでは、
- なぜ安売りにならないのか
- なぜ選ばれているのか
を言葉にします。
例:
- 他社にはない組み合わせ
- 長年の実績
- 顧客が乗り換えにくい理由
ここで初めて、
粗利=偶然ではない
と腹落ちします。
ワーク③|粗利で会社を「一文」で説明する
いよいよ、仕上げです。
以下の型を使ってみてください。
「うちは、
【誰に】
【どんな価値】を提供することで、
売上のうち【どの程度】が
粗利として残る会社です」
数字が正確でなくても構いません。
大切なのは、
- 自分の言葉で
- 構造として
説明できているか、です。
ケーススタディ③|粗利で語れた瞬間、判断が変わった社長
卸売業C社の社長。
完成した一文は、こうでした。
うちは、
小規模事業者に対して、
手間のかかる調整業務を代行することで、
売上の約35%が粗利として残る会社です
この一文を持ったことで、
- 値引き依頼への対応
- 新規案件の判断
- 人員配置
が、すべて
「その粗利は守れるか?」
という軸で揃いました。
なぜこのワークが「社長業」を軽くするのか
粗利で自社を説明できるようになると、
- 数字を見るストレスが減る
- 会話がシンプルになる
- 判断が早くなる
という変化が起こります。
なぜなら、
判断のたびに
ゼロから考えなくてよくなる
からです。
粗利の一文は、
社長にとっての判断の物差しになります。
数字が苦手な社長ほど、このワークをやるべき理由
「数字は苦手で…」
そう感じている社長ほど、
このワークは効果があります。
なぜなら、
- 難しい計算をしない
- 細かい分解をしない
- 言葉で考える
からです。
数字を扱っているのに、
数字に振り回されない。
これが、
粗利で会社を見る社長の状態です。
シリーズ③のまとめ|粗利は「社長の言葉」になる
このシリーズでお伝えしてきたのは、
- 経費ではなく粗利を見る
- 原価だけで判断しない
- 固定費・変動費を言葉にする
そして最後に、
粗利で、自社を説明できるようになる
ということ。
ここまで来ると、
粗利はもう
会計用語ではありません。
次回予告|利益構造設計の次のステージへ
次回からは、
- 利益を「どう増やすか」
- 構造を「どう変えるか」
という、
次のフェーズに進んでいきます。
ただし、
今回のワークができていないと、
必ず迷子になります。
まずは、
今日の一文を完成させてください。
今日の一言
粗利で会社を説明できた瞬間、
社長の判断は、迷いにくくなる。
