⑤ワーク:粗利で自社を説明する練習


「うちの会社、どう儲かっているんですか?」に答えられますか?

突然ですが、こんな質問をされたと想像してください。

  • 銀行から
  • 取引先から
  • 新しく入った幹部社員から

「御社って、どうやって利益を出している会社なんですか?」

このとき、多くの社長は
一瞬、言葉に詰まります。

  • 売上の話はできる
  • 商品やサービスの説明はできる
  • 頑張っている点も語れる

でも、
「粗利」という言葉を軸にして、
自社を説明できる社長は意外と少ない

今回は、
シリーズ③の総仕上げとして、

粗利で、自社を説明できる社長になる

ためのワークを、
ブログ形式で一緒に進めていきます。

なぜ「粗利で説明する」必要があるのか

まず前提です。

粗利とは、
単なる会計上の数字ではありません。

粗利は、

  • 会社が“戦って勝った結果”
  • 市場から評価された差分
  • 経営判断の成果物

です。

つまり、

粗利で会社を説明できる
= 経営を理解している社長

とも言えます。

売上説明と、粗利説明はまったく別物

多くの社長は、
会社説明をこう始めます。

「うちは年商○億円で、
主に○○をやっています」

これは売上の説明です。

一方、
粗利で説明する社長は、
こう語ります。

「うちは、○○という価値を提供して、
その結果として、
売上のうち△%が粗利として残る会社です」

この違い、
伝わるでしょうか。

後者は、

  • 何に価値があるのか
  • どこで勝っているのか
  • どこが弱いのか

が、自然と見えてきます。

ケーススタディ①|売上は語れるが、粗利は語れなかった社長

製造業A社の社長。

  • 年商:3億円
  • 受注も安定
  • 忙しさは常にMAX

ところが、
粗利率を聞くと、

「正確には…ちょっと分からないですね」

という状態でした。

さらに、

  • どの仕事が粗利を生んでいるか
  • どの取引が足を引っ張っているか

を聞くと、
すべて感覚ベース。

結果として、

「売上はあるのに、
なぜかお金が残らない」

という典型パターンに陥っていました。

粗利で説明するとは「構造を語る」こと

ここで重要な視点です。

粗利で説明する=数字を細かく語る
ではありません。

むしろ逆です。

  • 分解しすぎない
  • 細かく語らない

その代わり、

「どういう構造で、粗利が生まれているか」

を、
一文で語れることがゴールです。

ワーク①|まずは「粗利の源泉」を言葉にする

ここから実践です。

紙とペン、
もしくはメモアプリを用意してください。

問い①

自社の粗利は、何によって生まれているか?

例として、
こんな切り口があります。

  • 技術力
  • 提案力
  • 立地
  • スピード
  • 専門性
  • 継続取引

ポイントは、

「商品名」ではなく
「価値の正体」を書くこと

です。

ケーススタディ②|「商品」ではなく「価値」に気づいた社長

サービス業B社。

最初の答えは、

「○○というサービスを売っています」

でした。

しかし掘り下げると、

  • 他社でも同じことはできる
  • 価格競争になりやすい

という現実が見えてきました。

改めて考えた結果、

うちは、
社長が判断に迷ったときに、
数字と言葉で整理する役割を担っている

と表現が変わりました。

この瞬間、

  • 価格の考え方
  • 受ける仕事の基準

が、一気に明確になりました。

ワーク②|粗利が「残る理由」を一文で書く

次のステップです。

問い②

なぜ、その価値は粗利として残るのか?

ここでは、

  • なぜ安売りにならないのか
  • なぜ選ばれているのか

を言葉にします。

例:

  • 他社にはない組み合わせ
  • 長年の実績
  • 顧客が乗り換えにくい理由

ここで初めて、

粗利=偶然ではない

と腹落ちします。

ワーク③|粗利で会社を「一文」で説明する

いよいよ、仕上げです。

以下の型を使ってみてください。

「うちは、
【誰に】
【どんな価値】を提供することで、
売上のうち【どの程度】が
粗利として残る会社です」

数字が正確でなくても構いません。

大切なのは、

  • 自分の言葉で
  • 構造として

説明できているか、です。

ケーススタディ③|粗利で語れた瞬間、判断が変わった社長

卸売業C社の社長。

完成した一文は、こうでした。

うちは、
小規模事業者に対して、
手間のかかる調整業務を代行することで、
売上の約35%が粗利として残る会社です

この一文を持ったことで、

  • 値引き依頼への対応
  • 新規案件の判断
  • 人員配置

が、すべて
「その粗利は守れるか?」
という軸で揃いました。

なぜこのワークが「社長業」を軽くするのか

粗利で自社を説明できるようになると、

  • 数字を見るストレスが減る
  • 会話がシンプルになる
  • 判断が早くなる

という変化が起こります。

なぜなら、

判断のたびに
ゼロから考えなくてよくなる

からです。

粗利の一文は、
社長にとっての判断の物差しになります。

数字が苦手な社長ほど、このワークをやるべき理由

「数字は苦手で…」

そう感じている社長ほど、
このワークは効果があります。

なぜなら、

  • 難しい計算をしない
  • 細かい分解をしない
  • 言葉で考える

からです。

数字を扱っているのに、
数字に振り回されない

これが、
粗利で会社を見る社長の状態です。

シリーズ③のまとめ|粗利は「社長の言葉」になる

このシリーズでお伝えしてきたのは、

  • 経費ではなく粗利を見る
  • 原価だけで判断しない
  • 固定費・変動費を言葉にする

そして最後に、

粗利で、自社を説明できるようになる

ということ。

ここまで来ると、
粗利はもう
会計用語ではありません。

次回予告|利益構造設計の次のステージへ

次回からは、

  • 利益を「どう増やすか」
  • 構造を「どう変えるか」

という、
次のフェーズに進んでいきます。

ただし、
今回のワークができていないと、
必ず迷子になります。

まずは、
今日の一文を完成させてください。

今日の一言

粗利で会社を説明できた瞬間、
社長の判断は、迷いにくくなる。


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