
「忙しいのに儲からない」の正体は、社長の手の中にある
こんな状態に、心当たりはないでしょうか。
- 毎日やることに追われている
- 判断も作業も、全部自分
- 売上はそこそこあるのに、余裕がない
それでも社長は言います。
「人に任せたいんですけどね…」
「結局、自分がやった方が早くて」
「まだその段階じゃない気がして」
STEP4は、
この“分かっているけど進まない状態”を
構造的に整理するステップです。
ポイントは一つ。
業務構造を変えずに、
事業構造だけを変えることはできない。
そして、
業務構造を変えるとは、
社長が手放す仕事を決めることです。
STEP4は「効率化」の話ではない
最初に、よくある誤解を解いておきます。
STEP4 業務構造設計は、
- 業務効率化
- DX
- ツール導入
を考えるステップではありません。
それらはすべて、
「何を誰がやるか」が決まった後の話です。
このステップでやることは、ただ一つ。
「社長がやるべき仕事」と
「社長がやらなくていい仕事」を分けること。
なぜ社長は、仕事を手放せないのか
社長が仕事を抱え込んでしまう理由は、
能力や意欲の問題ではありません。
ほとんどの場合、
次のどれかです。
① 判断基準がない
- どこまで任せていいか分からない
- 失敗したら自分の責任になる
- 任せるラインが曖昧
結果として、
「全部自分で」が一番安全に見えてしまいます。
② 構造的に社長が関わる前提になっている
- 見積りは社長しか作れない
- 最終確認は社長
- トラブル対応は社長
仕組みではなく、
社長の存在そのものが業務フローになっている状態です。
③ 「手放す=楽をする」と感じてしまう
真面目な社長ほど、
- 自分だけ楽をしていいのか
- まだ現場を知らなければ
と、無意識にブレーキをかけます。
STEP4では、
これらを「感情」ではなく
構造の問題として整理します。
業務構造設計の前提:社長の仕事を定義する
まず最初にやるべきことは、
「社長の仕事」をはっきりさせることです。
この講座では、
社長の仕事を次の3つに定義します。
- 方向を決めること
- 判断基準を決めること
- 最終責任を持つこと
逆に言えば、
- 作業
- 手配
- 繰り返し業務
これらは、
社長の仕事ではありません。
ここを曖昧にしたままでは、
何を手放すかも決まりません。
ワーク①|社長の1週間を「業務」で分解する
STEP4の最初のワークは、
とても地味ですが、効果は絶大です。
やることはこれだけ
直近1週間を思い出しながら、
社長がやった仕事をすべて書き出します。
- 打ち合わせ
- メール
- 見積り
- 現場対応
- トラブル処理
- 社内確認
ポイントは、
大小問わず、全部書くこと。
書き出したら、3つに分類する
次に、それぞれの業務を
次の3つに分類します。
A. 社長しかできない仕事
B. 本来は任せられる仕事
C. やらなくていい仕事
この分類をすると、
多くの社長が驚きます。
BとCが、想像以上に多い。
ケーススタディ:ある製造業の社長の場合
ある製造業の社長が、
このワークをやった結果がこちらです。
- A:全体方針の決定、重要取引先との交渉
- B:見積り作成、進捗確認、日報チェック
- C:資料作成、軽微な問い合わせ対応
社長は言いました。
「ほとんど自分じゃなくていいですね…」
問題は、
やる気や能力ではなく、
構造として手放す設計がされていなかったことでした。
ワーク②|「手放せない理由」を言語化する
次にやるのが、
Bに分類された仕事についての深掘りです。
それぞれに、
こう問いかけます。
「なぜ、これは社長がやっているのか?」
出てくる答えは、だいたいこの辺です。
- ミスが怖い
- 教えるのが面倒
- 判断が難しい
- 忙しくて任せ方を考える余裕がない
ここで重要なのは、
正解を出そうとしないこと。
理由をそのまま言葉にするだけで、
次の一手が見えてきます。
手放すとは「丸投げ」ではない
ここで、
多くの社長が勘違いします。
手放す = 任せきり
ではありません。
正しくは、
「判断基準ごと渡す」こと。
- どこまでOKか
- どこからNGか
- 迷ったらどうするか
これが決まっていれば、
社長が毎回関与する必要はなくなります。
ワーク③|判断を「ルール」に変える
STEP4で最も重要なのが、このワークです。
Bに分類された業務について、
次の3点を整理します。
- 判断のポイントは何か
- NGラインはどこか
- 例外はどんなときか
これを言語化することで、
- 属人業務が
- ルール業務に変わる
この瞬間から、
業務構造が変わり始めます。
社長が現場から抜けると、事業は弱くなる?
よくある不安に、こういうものがあります。
「社長が手を離したら、
品質が落ちるのでは?」
実際は、逆です。
社長が毎回関与している会社ほど、
品質は安定しません。
なぜなら、
- その時の気分
- 忙しさ
- 判断のブレ
が、業務に反映されてしまうからです。
判断基準が言語化され、
共有された業務の方が、
結果として安定します。
STEP4のゴールは「社長が抜けても回る前提」を作ること
STEP4で目指すゴールは、
一気に全部任せることではありません。
社長が抜けても回る前提を、
一部でも作ること。
- 1つの業務
- 1つの判断
- 1つの流れ
ここができるだけで、
社長の時間の質は大きく変わります。
業務構造が変わると、社長の仕事が変わる
業務構造を設計し直すと、
社長の仕事は自然と変わります。
- 作業から判断へ
- 現場から全体へ
- 目先から中長期へ
これは、
楽をするためではありません。
事業構造転換を、
現実のものにするためです。
今日の一言
社長が忙しい会社は、
頑張っているのではない。
業務構造が、社長前提のままなだけだ。
手放す仕事を決めた瞬間から、
社長は「作業者」ではなく、
本来の役割に戻り始めます。
