
― 数字は「責める道具」ではなく、「社長を守る道具」―
「数字の話になると、胃がキリキリするんです」
STEP5に入ると、
社長の表情が一気に変わる瞬間があります。
「正直、数字は苦手で…」
「見ると不安になるから、あまり見たくない」
- 試算表は税理士に任せきり
- 売上は分かるけど、利益はよく分からない
- キャッシュの話は、できれば避けたい
でも、安心してください。
これは珍しい話ではありません。
むしろ、
数字から逃げたくなる社長ほど、
真面目で責任感が強いケースが多いのです。
数字が怖い理由は「難しいから」ではない
まず、大前提から整理します。
社長が数字を避ける理由は、
- 計算が苦手だから
- 知識が足りないから
ではありません。
本当の理由は、これです。
「現実を突きつけられる感じがするから」
- 思ったほど利益が出ていない
- 頑張っているのに数字が伴わない
- 判断ミスを認めさせられる気がする
数字は、
感情を挟まずに、
結果だけを淡々と見せてくる。
だから、怖い。
ケース① 試算表を3年見ていなかった社長
ある社長は、こう言いました。
「税理士からは毎月もらってますけど、
正直、封も開けてません」
理由を聞くと、
- 見てもよく分からない
- 悪かったら気分が落ちる
- 結局、現場は回っている
でも、その結果、
- 利益が出ていない理由が分からない
- 価格を上げる判断ができない
- 資金繰りの兆しに気づけない
気づいたときには、
「忙しいのにお金が残らない会社」
が完成していました。
数字を見ない社長ほど、勘で判断している
数字を見ないと、
何で判断することになるか。
それは、
- 感覚
- 経験
- 勢い
です。
もちろん、
これ自体が悪いわけではありません。
問題は、
「検証できない」
ことです。
- この判断は正しかったのか?
- どこがズレていたのか?
これが分からない。
結果、
同じ失敗を繰り返す。
数字は「経営の成績表」ではない
ここで、
数字に対する見方を変えましょう。
多くの社長は、
数字をこう捉えています。
- 良ければOK
- 悪ければダメ
つまり、
自分の評価表。
でも、本来の数字は違います。
数字は、
「今どこに立っているか」を教える地図
です。
地図を見て、
- 道を間違えた
- 遠回りしている
と分かるから、
修正できる。
責めるためのものではありません。
ケース② 数字を見始めて、気持ちが楽になった社長
別の社長は、
数字を見るのが本当に嫌でした。
でも、あるときから、
- 売上
- 粗利
- 固定費
この3つだけを見るようにしました。
すると、
「思ってたより、
ダメじゃなかったんですね」
と、肩の力が抜けた。
そこから、
- 利益が出ない原因が分かる
- 打ち手が具体化する
- 判断が早くなる
数字は、
不安を増やすどころか、
不安を減らす材料になったのです。
社長が見るべき数字は、実は少ない
ここで重要な話をします。
社長が見る数字は、
全部である必要はありません。
むしろ、
見すぎる方が迷います。
最低限でいい。
例えば、
- 売上
- 利益
- キャッシュの増減
これだけでも、
判断は大きく変わります。
STEP5は、
「見る数字を決める」ステップ
でもあります。
数字を見る=細かく分析する、ではない
ここも誤解されがちです。
数字を見ると言うと、
- 分析
- 分解
- グラフ
を想像しますが、
最初は不要です。
まずやることは、これだけ。
「前より良くなっているか?」
- 上がったか
- 下がったか
- 横ばいか
それだけで十分。
判断は、
その後でいい。
数字を見ない社長が、最後に困る場面
数字を避け続けると、
必ず困る瞬間が来ます。
- 銀行との話
- 人を増やす判断
- 大きな投資
このとき、
「なんとなく」
では通用しません。
数字を見ていない社長ほど、
- 説明が曖昧
- 判断が遅れる
- 自信が持てない
という状態に陥ります。
STEP5は「数字に慣れる」ためのステップ
STEP5で求めているのは、
- 数字に強くなること
ではありません。
数字と距離を縮めること
です。
- 毎月、同じ数字を見る
- 良し悪しを判断しない
- 変化だけを確認する
これだけで、
数字への恐怖は確実に薄れます。
数字は、社長を縛るものではない
最後に、
一番伝えたいことを言います。
数字は、
- 社長を管理するもの
- 社長を追い詰めるもの
ではありません。
社長が、
迷わず決めるための道具
です。
数字を見る社長ほど、
- 判断が軽くなる
- 覚悟が決まる
- 他人の意見に振り回されなくなる
これは、
精神論ではありません。
構造の話です。
事業構造転換の最後に残るもの
STEP5まで来ると、
社長の景色は変わります。
- 市場が見える
- 強みが言える
- 忙しさを手放せる
- 数字を直視できる
ここまで来て、
初めて、
「社長の仕事」
が完成します。
今日の一言
数字は、社長を追い詰める敵ではない。
社長を守る、いちばん正直な味方だ。
迷いは、
成長の途中にしか現れません。
数字と向き合えたとき、
社長は、
次の判断に進めます。
