ー 導き出したポジションを生き残れる形にする|第3回目(全6回) ー
いいポジションなのに、不安が消えない理由
ここまでのシリーズBで、
- STEP7:誰が・何にお金を払うのか
- STEP8:価格を正当化できる構造
を整理してきました。
この段階に来ると、
多くの人がこう感じ始めます。
「理屈は通っている」
「言っていることも間違っていない」
「でも…本当に回るのか?」
このモヤっとした不安。
実は、とても健全です。
なぜなら、
ここから先は「思想」や「言葉」ではなく、
現実として成立するかどうかの話になるからです。
STEP9は、
ポジションを「机上の空論」から引きずり下ろし、
数字という現実に着地させるステップです。
売上は「結果」ではなく「条件の積み重ね」
まず、大前提から。
売上は、
気合いや努力の結果ではありません。
いくつかの条件が、
同時に満たされたときにしか生まれないものです。
にもかかわらず、多くの人は
売上をこう捉えています。
「もっと売上を上げたい」
「月商〇〇万円を目指したい」
でも、
「いくら欲しいか」を考えても、
どうやって成立させるかは見えてきません。
STEP9でやるのは、
売上を“分解”し、
成立条件として捉え直すことです。
売上は、たった3つの要素でできている
難しそうに聞こえるかもしれませんが、
売上の構造は驚くほどシンプルです。
売上 =
客数 × 単価 × 回数
これだけです。
- 何人が
- いくらで
- 何回
この3つの掛け算以外、
売上は存在しません。
STEP9では、
この当たり前すぎる式を、
ポジションに照らして分解していきます。
STEP9-①|「そのポジションで、何人集めるつもりか?」
まずは「客数」。
ここで重要なのは、
理想ではなく、現実ベースで考えることです。
よくあるのが、こんな思考。
「100人くらいは来てほしい」
「それくらいはいける気がする」
でも、STEP9では必ずこう問い直します。
- その人たちは、どこにいるのか
- どうやって知ってもらうのか
- その行動は、再現可能か
ポジションが尖るほど、
対象人数は必ず減ります。
それ自体は悪いことではありません。
むしろ、自然な現象です。
問題は、
減った人数でも成立する設計になっているかどうか。
ケース①|「数が足りない」のではなかった話
ある人は、
「人が集まらない」ことを悩んでいました。
でも、売上を分解してみると、
- 本来想定すべき客数は、月5人
- 実際には、月10人以上が相談に来ている
つまり、
集客は足りていたのです。
問題は別のところにありました。
- 単価が低すぎた
- 回数設計がなかった
売上を分解すると、
「足りないもの」が一気に明確になります。
STEP9-②|その単価は、何人分の責任を背負っているか
次は「単価」。
STEP8で価格は整理しましたが、
STEP9では別の角度から見ます。
それは、
その単価で、
何人分の売上を背負う設計なのか
という視点です。
例えば、
- 1万円の商品で月100万円を作る
→ 100人必要 - 10万円の商品で月100万円を作る
→ 10人必要
どちらが良い・悪いではありません。
重要なのは、
その人数を、現実的に集められるか
です。
「単価を下げれば売れる」は、ほぼ幻想
多くの人が、
売上が伸びないときにやりがちなのが、
「もう少し安くすれば…」
でも、
単価を下げるということは、
- 客数を増やす
- 手間を増やす
- 管理を複雑にする
という条件を、
自分に課すことでもあります。
STEP9では、
単価を感覚ではなく、条件として扱います。
STEP9-③|「1回きり」で終わる設計になっていないか
最後は「回数」。
ここが抜け落ちているビジネスは、
非常に多いです。
- 1回きりの契約
- その場限りの取引
これだと、
- 常に新規を追い続ける
- 売上が安定しない
- 精神的に消耗する
STEP9では、
こう問いかけます。
- 同じ人が、何回払う前提か
- その回数に、意味はあるか
- 自然な流れとして成立しているか
無理に継続させる必要はありません。
ただし、
「1回で終わる設計なのかどうか」を
自覚しているかは、決定的に重要です。
ケース②|売上が安定し始めた瞬間
ある事業者は、
- 単価:そこそこ
- 客数:そこそこ
なのに、
なぜか売上が安定しない。
分解してみると、
- すべて1回完結
- 次の接点がない
そこでやったのは、
- もう一度会う理由を設計する
- 判断の「次の段階」を用意する
結果、
- 客数は変わらない
- 単価も変わらない
それでも、
売上は安定し始めました。
回数の設計は、
派手さはないが、効き目が大きいのです。
「成立条件」が見えると、不安が消える
STEP9のゴールは、
売上を増やすことではありません。
「この条件が満たされれば、回る」
と自分で言える状態になることです。
- 何人いればいいのか
- いくらであるべきか
- 何回続けばいいのか
これが見えた瞬間、
- 焦りが減り
- 無駄な施策を打たなくなり
- 判断が速くなります
ポジションが、
経営の言葉に変わる瞬間です。
本シリーズはいよいよ最終局面へ
STEP9まで来たあなたは、
- ポジションを言語化し
- 価格を構造化し
- 売上を条件として捉えられる
状態に近づいています。
次はいよいよ、
- その条件を
- どうやって「継続的に満たし続けるか」
という話に進みます。
今日の一言
売上は目標ではない。
「これが揃えば成立する」という
条件の組み合わせにすぎない。
それが見えたとき、
ビジネスは急に静かに、
そして強くなります。
