
「全部は見なくていい」が、まず最初の救い
「数字を見ろと言われても、何を見ればいいのか分からない」
「試算表を開いた瞬間、思考が止まる」
「そっと閉じて、なかったことにする」
これは、数字が苦手な社長あるあるです。
でも最初にお伝えしたいのは、これです。
社長は、全部の数字を見る必要はありません
むしろ、全部を見ようとするから、管理会計は苦行になります。
今回のテーマは、「社長が最低限、これだけ見ていれば運転できる数字」です。
社長の仕事は「判断」。数字はその材料でしかない
まず前提を整理しましょう。
- 経理の仕事:数字を正確に作る
- 税理士の仕事:税務的に正しく整える
- 社長の仕事:数字を使って決める
社長は、細かい勘定科目を覚える必要はありません。
必要なのは、判断に必要な最低限のダッシュボードです。
では、それは何か。
最低限①|「今月、ちゃんと儲かったか?」=粗利
社長が最初に見るべき数字は、売上ではありません。
**粗利(=売上 − 原価)**です。
なぜなら、
売上は「頑張った量」
粗利は「報われた量」だからです。
売上が上がっていても、粗利が薄ければ意味がありません。
逆に、売上がそこまで伸びていなくても、粗利が取れていれば経営は安定します。
まずは毎月、こう自分に問いかけてください。
「今月の粗利は、先月・去年と比べてどうだったか?」
これだけで、経営の解像度は一段上がります。
最低限②|「固定費は、粗利に見合っているか?」
次に見るべきは、固定費です。
家賃
人件費
通信費
リース代
ポイントは、「一つひとつを細かく見る」ことではありません。
見るべき問いは、これです。
「この固定費、今の粗利で本当に支えられているか?」
スモールビジネスの怖さは、
売上が落ちたときでも、固定費は待ってくれないこと。
管理会計では、
「固定費 ÷ 粗利」
という感覚を、社長の頭に入れていきます。
最低限③|「結局、いくら残った?」=営業利益
粗利から固定費を引いた結果。
それが営業利益です。
営業利益は、
「社長の経営判断の成績表」
だと思ってください。
- 値決めは正しかったか
- コスト感覚はズレていなかったか
- 今の体制は無理がないか
これらが、まとめて数字に出ます。
まずは難しく考えず、
プラスかマイナスか
先月より良いか悪いか
この2点だけを見れば十分です。
最低限④|「通帳残高」と「今後3か月」
そして最後に、最重要とも言えるのがキャッシュです。
利益が出ていても、
通帳にお金がなければ、会社は止まります。
社長が見るべきは、
細かい入出金明細ではありません。
- 今の通帳残高
- この先3か月で、大きく出ていくお金は何か
これだけです。
「このまま行って、3か月後も安心か?」
この問いに即答できない状態は、
スピードを出しすぎている運転と同じです。
逆に「今は見なくていい数字」
ここで、安心してもらうために言います。
今の段階では、
- 減価償却
- 貸借対照表の細かい内訳
- 税金の計算ロジック
これらは見なくてOKです。
虎の穴では、
「必要になったときに、必要な分だけ」
扱っていきます。
まとめ|社長のダッシュボードは4つでいい
今日の内容をまとめると、
社長が最低限見るべき数字は、この4つです。
- 粗利
- 固定費
- 営業利益
- 通帳残高(+3か月先)
これだけで、
「なんとなく不安な経営」から
「状況が分かる経営」に変わります。
今日の「虎の巻」→ 見る数字を減らすと、判断は速くなる
管理会計の第一歩は、数字を増やすことではなく、減らすこと
