
試算表を見て「ふーん」で終わっていないか
月次試算表が出てくる。
ざっと眺める。
売上と利益を確認する。
そして、そっと閉じる。
これは多くの社長が無意識にやっていることです。
でも、ここで一つ問いを投げます。
そのP/L、次の一手を決める材料になっていますか?
もし答えが「いいえ」なら、
問題は経営センスではなく、P/Lの形です。
P/Lは「正しい」だけでは意味がない
会計ソフトが出すP/Lは、
税務的には正しい。
でも、経営的に使いやすいとは限りません。
なぜなら、
P/Lは「見る人の目的」によって、
構造を変えるべきものだからです。
税務用P/L
経理用P/L
そして、社長用P/L
虎の穴で扱うのは、もちろん最後のものです。
判断に使えるP/Lの基本構造
社長用P/Lは、極端に言うと、
この3ブロックに分かれていれば十分です。
- 粗利(どれだけ価値を生んだか)
- 固定費(それを維持するコスト)
- 営業利益(判断の結果)
この流れが、
一目で追えることが何より重要です。
ステップ①|売上を「意味のある単位」に分ける
まず最初に手を入れるのは、売上です。
業種にもよりますが、
可能であれば次のように分けます。
- 商品別
- サービス別
- 顧客タイプ別
目的は一つ。
「どこで儲かっているか」が見えること
全部まとめた売上は、
社長にとって情報量が少なすぎます。
ステップ②|原価を「粗利が見える形」に寄せる
次に原価。
ここで重要なのは、
「正確さ」よりも「一貫性」です。
- この売上には、どこまでが原価か
- 毎月、同じルールで入っているか
これが揃うと、
粗利のブレ=経営の変化
として捉えられるようになります。
ステップ③|固定費は“性格”でまとめる
固定費を細かく並べすぎると、
社長は判断できなくなります。
おすすめは、性格でまとめること。
- 人に関するコスト
- 場所・設備に関するコスト
- 売るためのコスト
- 管理のためのコスト
これだけで、
「どこが重いか」「どこを触れるか」が見えてきます。
ステップ④|営業利益の位置を、必ず意識させる
判断に使えるP/Lでは、
営業利益がはっきり目立つ位置にあります。
なぜなら、
営業利益は「社長の采配の結果」だからです。
- ここが黒字なら、今の方向性は概ねOK
- 赤字なら、どこかに構造的な問題がある
感情ではなく、
構造で反省できるのが管理会計の強みです。
社長用P/Lは「考えやすさ」がすべて
よくある誤解があります。
「もっと細かくしないと、正確な判断ができない」
実際は逆です。
考えやすいP/Lほど、良い判断が生まれる
迷わず、
「だから何をするか?」
に思考が進む形。
それが、社長用P/Lです。
今日の「虎の巻」→ P/Lは読むものではなく、並べ替えるもの
判断に使えるP/Lとは、
数字が語りかけてくるように並べられたP/Lである
