
――頑張らないと儲からない会社は、設計が間違っている・第6回――
「うちのビジネスモデルって、何ですか?」と聞かれて答えられますか?
突然ですが、こんな質問をされたらどうでしょう。
「御社のビジネスモデルは、何ですか?」
多くの社長が、こう答えます。
- 〇〇業です
- 〇〇を作っています
- 〇〇のサービスをやっています
でも、これは事業内容であって、
ビジネスモデルの説明ではありません。
ビジネスモデルは「形」ではなく「構造」
本来、ビジネスモデルとは、
どうやって、
無理なく利益が残る構造になっているか
です。
- どこで儲けているのか
- 何が利益を生んでいるのか
- 何が足を引っ張っているのか
これを感覚ではなく、構造として説明できるか。
その鍵が、管理会計です。
なぜ管理会計がないと、ビジネスモデルが見えないのか
多くの会社は、会計をこう捉えています。
- 税金のため
- 決算のため
- 税理士に任せるもの
その結果、見ている数字は、
- 月次損益
- 年間の利益
だけ。
でも、それでは「結果」しか見えていない
それは、例えるなら、
健康診断で
「体重」だけ見ている状態
- どこに脂肪がついているのか
- 筋肉は足りているのか
- 内臓はどうなっているのか
は、まったく分かりません。
管理会計は「構造を分解するための道具」
管理会計がやることは、とてもシンプルです。
会社の中身を、
バラして見る
例えば、こんな分解です
- 商品別
- サービス別
- 顧客別
- 部門別
こうして初めて、
- 儲かっているところ
- 忙しいだけのところ
- 足を引っ張っているところ
が、見えてきます。
ケーススタディ:黒字なのに苦しい会社
ある小規模のITサービス会社。
- 決算は黒字
- 売上も右肩上がり
- でも、社長は疲弊
社長の言葉は、こうでした。
「数字は悪くないはずなのに、
全然楽にならないんです」
管理会計で分解してみると…
商品別に分けてみた結果、
- Aサービス:
- 売上大
- 利益率低
- クレーム多 - Bサービス:
- 売上小
- 利益率高
- 手離れ良い
忙しさの正体は、
Aサービスでした。
ビジネスモデルは「どれを伸ばすか」で決まる
ここで重要なのは、
どの数字を伸ばすかの選択
です。
- 売上を伸ばすのか
- 利益率を伸ばすのか
- 件数を増やすのか
これによって、
会社の姿はまったく変わります。
管理会計は「経営の地図」
管理会計があると、
- どこを進んでいるか
- どこが危険地帯か
- どこに宝があるか
が、分かります。
逆に言えば、
管理会計なしの経営は、
地図なしで山に入るようなもの
です。
「頑張る場所」を間違えている会社が多すぎる
多くの会社は、
- 全部頑張る
- 全部伸ばす
- 全部守る
という判断をしがちです。
でも、管理会計で見ると、
頑張るべき場所は、
実は一部だけ
というケースがほとんどです。
ケーススタディ:やめたら利益が増えた話
ある製造業の例。
- 商品数が多い
- 現場は常にフル稼働
管理会計で商品別利益を出すと、
- 上位3商品で利益の8割
- 下位商品は赤字
そこで、
- 下位商品を縮小
- 上位商品に集中
結果、
- 売上微減
- 利益大幅増
ビジネスモデルは「言葉」ではなく「数字」で見るもの
ここが、この回の核心です。
ビジネスモデルは、
語るものではない。
測るものである。
管理会計が教えてくれる3つの真実
- 儲けている“正体”
- 苦しさの“原因”
- 伸ばすべき“一点”
これが分からないまま、
- 戦略を語り
- 人を増やし
- 投資をする
のは、かなり危険です。
「管理会計=難しい」は誤解
よく聞く声があります。
「管理会計って、難しそうですよね」
でも実際は、
- 完璧な数字は不要
- 最初はざっくりでOK
重要なのは、
見る視点を変えること
です。
税務会計と管理会計は、役割が違う
- 税務会計:
→ 過去を正しく報告 - 管理会計:
→ 未来を判断する
どちらが偉い、ではありません。
使い分けることが重要
です。
管理会計があると、社長は楽になる
管理会計を入れると、
- 勘で決めなくていい
- 感情に引っ張られない
- 説明ができる
結果、
社長の精神的負担が、
大きく減ります
ビジネスモデル改善は、管理会計から始まる
- どこを変えるか
- 何をやめるか
- 何を伸ばすか
すべて、
管理会計で見えた事実
から決める。
これが、
「頑張らなくても儲かる会社」への入口です。
もし今、
「うちの儲け方、
ちゃんと説明できないな…」
と感じたなら、
それは能力不足ではありません。
まだ、見える数字を
持っていないだけです。
そこから整えれば、
会社の景色は必ず変わります。
今日の一言
ビジネスモデルは、
頭で考えるものではない。
数字で、初めて姿を現す。
