
――頑張らないと儲からない会社は、設計が間違っている・第8回――
「売上はあるのに、なぜか落ち着かない」
社長と話していると、こんな言葉をよく聞きます。
「売上はそこそこあるんですけど、
なんか常に不安で…」
この感覚、
気のせいではありません。
多くの場合、その正体は
固定費と変動費のバランスにあります。
利益より先に見るべきものがある
多くの経営者は、
- 売上
- 利益
を最初に見ます。
でも、ビジネスモデルの「強さ」を測るなら、
本当に最初に見るべきは、
固定費と変動費
です。
固定費・変動費とは何か(超ざっくり)
難しく考えなくて大丈夫です。
固定費
- 売上が増えても減っても、基本変わらない
- 家賃、人件費、システム費、リース料など
変動費
- 売上に応じて増減する
- 仕入、外注費、材料費、送料など
なぜ「モデルの強さ」がここに出るのか
固定費・変動費を見ると、
- 売上が落ちたとき
- 環境が変わったとき
に、
どれだけ耐えられるか
が分かります。
モデルが弱い会社の共通点
それは、
固定費が重く、
変動費として逃げられない
構造です。
典型的な状態
- 人を増やさないと回らない
- 毎月の支払いが多い
- 売上が少し落ちただけで焦る
この時点で、
社長は「頑張るしかない」状態に
追い込まれます。
ケーススタディ①:売上が止まった瞬間に詰む会社
あるサービス業の会社。
- 売上は好調
- 社員も増えた
- オフィスも拡張
ところが、外部環境の変化で
売上が一時的に20%ダウン。
何が起きたか
- 人件費は下げられない
- 家賃もそのまま
- 固定費はフルで残る
結果、
黒字から一気に資金不安
固定費が悪いわけではない
ここで誤解しないでほしいのは、
固定費=悪
ではありません。
問題は、
- 固定費が高いこと
- ではなく
- 固定費に見合う設計になっていないこと
です。
固定費型モデルが強くなる条件
固定費型が強いのは、こんな場合です。
- 売上が安定している
- 契約・継続収入がある
- 規模が大きくなるほど利益が出る
つまり、
規模が出たときに、
一気に楽になるモデル
です。
ケーススタディ②:固定費型でも強い会社
あるITサービス会社。
- 人件費は高い
- 固定費も重い
でも、
- 月額課金
- 解約率が低い
- 売上の予測が立つ
結果、
固定費は重いが、
経営は安定
一方、変動費型モデルの特徴
変動費が中心のモデルは、
- 売上が減ると、コストも減る
- リスクが分散される
一見、とても安心です。
ただし、別の弱さもある
- 利益率が上がりにくい
- 忙しさが減らない
- 規模を出しても楽にならない
つまり、
ずっと現場勝負
になりがちです。
ケーススタディ③:変動費型で抜けられない会社
ある制作系の会社。
- 外注を使って変動費化
- リスクは低い
でも、
- 案件を取らないと売上ゼロ
- 社長が営業を止められない
結果、
安心だけど、永遠に忙しい
強いモデルは「どちらか」ではない
重要なのは、
固定費型か
変動費型か
ではありません。
本当に見るべきポイント
それは、
売上が減ったとき、
どこまで耐えられるか
自分に問いかけてみてください
- 売上が20%減ったら?
- 3か月続いたら?
- 半年続いたら?
このとき、
- すぐに手が打てる
- 選択肢がある
モデルは強い。
管理会計で見る「固定費の正体」
管理会計を入れると、
- どこが本当の固定費か
- 実は変動化できる部分
- 見直すべき重さ
が、見えてきます。
固定費は「覚悟の数字」
固定費とは、
その会社が背負う覚悟
です。
- この規模でやる
- この人員でやる
- このモデルで勝つ
という、経営判断の結果。
頑張らないと回らない原因はここにある
もし今、
- 少し売上が落ちると不安
- 常にアクセルを踏み続けている
- 休むと数字が怖い
なら、
固定費・変動費の設計が、
今のフェーズに合っていない
可能性が高いです。
強いモデルは「余白」がある
本当に強いビジネスモデルは、
- 売上が多少落ちても
- 社長が少し休んでも
致命傷にならない
設計になっています。
ビジネスモデルの強さは、
売上の大きさではなく、
固定費と変動費の“耐久力”で決まる。
もし今、
「頑張り続けないと不安」なら、
それはあなたの根性不足ではありません。
設計を見直すサイン
が、数字に出ているだけなのです。
今日の一言
ビジネスモデルの強さは、
売上の大きさではなく、
固定費と変動費の“耐久力”で決まる。
