
――社長の仕事は、決めること・第12回――
決断力は社長の最重要スキル
社長の仕事は、常に「決めること」です。しかし、決断は一度きりではありません。日々の経営判断、投資、人材採用、営業方針…すべてが決断の連続です。
多くの社長が「決めることに疲れた」と感じるのは、この連続性とプレッシャーが原因です。決断力は一度鍛えたら終わりではなく、持続的に発揮する必要があります。ここで言う「決め続けられる社長」とは、意思決定を止めず、会社の舵をしっかりと握れる経営者のことです。
ポイント:決断は力のある筋肉のようなもので、使い続けることで強くなる。
決め続ける社長の特徴
決め続けられる社長にはいくつか共通点があります。
- 判断基準を明確に持っている
- 感覚だけで決めず、数字やルール、ビジョンを基準に判断
- 例:売上増よりも利益率重視、長期投資は5年以内に回収可能な案件のみ
- 情報収集の習慣がある
- 判断に必要な情報を事前に整理し、曖昧さを減らす
- 例:月次KPI、業界動向、顧客ニーズを常に把握
- 決断のプロセスを仕組み化している
- 感情や気分で左右されず、判断ステップを定型化
- 例:意思決定フロー:問題定義 → 数字で検証 → 選択肢比較 → 決定 → 実行
事例:飲食チェーンのA社社長は、新規出店の判断を「過去6か月の店舗売上と回転率、初期投資回収期間」をもとに定量化。これにより、半年で3店舗の出店をスムーズに決定し、赤字店舗ゼロを達成しました。
決断を続けるための3つの習慣
1. 日々の意思決定を小さく積み重ねる
社長は大きな決断だけでなく、日常の細かい判断も積み重なっています。
小さな決断を怠ると、判断力の筋力が衰えます。
- 例:会議中の議題の優先順位、メール対応の優先度、営業施策の軽微な調整など
ポイント:小さな決断を軽視せず、習慣として積み重ねることが大事。
2. 迷う時間を短くする
決断が先送りになる最大の原因は、迷いです。
迷いを減らすには、以下の方法があります。
- 判断基準を事前に決める
- 選択肢を絞る
- 時間制限を設ける
事例:IT企業B社の社長は、新規プロジェクトの承認を「2日以内に決める」とルール化。迷いが減り、意思決定スピードが従来の半分になりました。
3. 失敗を恐れず、振り返る習慣を持つ
決断には必ずリスクが伴います。失敗を恐れて先送りする社長は、決め続けられません。
重要なのは、失敗から学ぶことです。
- 失敗したら数字で原因を分析
- 改善策を明確にする
- 次の決断に活かす
事例:製造業C社では、新製品の販売戦略を誤り一部在庫が余りました。しかし、社長は数字をもとに原因分析し、翌月には販売チャネルを見直し、利益率10%アップを達成しました。
数字で支える決断力
決め続ける社長に共通するのが「数字で語る習慣」です。
数字は意思決定の基準を明確にし、迷いを減らします。
- 売上・利益・コスト・KPIをもとに判断
- 選択肢のリスクとリターンを数値化
- 結果を検証し、次の意思決定に反映
事例:物流業D社は、新規契約の受注判断を「粗利率・配送効率・契約期間」で数値化。結果、意思決定のスピードが上がり、契約後のトラブルも大幅に減少しました。
決断を文化にする
社長が決め続ける姿を示すことで、会社全体に意思決定の文化が生まれます。
- 社員も判断基準を持ち、自律的に動く
- 会議が議論ではなく、意思決定の場になる
- 会社全体のスピード感が向上
事例:サービス業E社では、社長が毎週の会議で「数字で判断する」習慣を継続。社員も同じ基準で施策を提案するようになり、意思決定の遅れが大幅に減少しました。
まとめ
決め続けられる社長になるためには、以下が鍵です。
- 判断基準を明確にする
- 小さな決断を積み重ねる
- 迷いを最小化する仕組みを作る
- 失敗を恐れず、数字で振り返る
- 決断を文化として浸透させる
決断力は一朝一夕で身につくものではありません。しかし、習慣と仕組みを整えることで、誰でも「決め続けられる社長」に近づけます。
今日の一言
決断力は社長の最大の武器。
迷わず、数字で判断し、失敗を恐れず、決め続けることで、会社は必ず前に進む。
