④月次が回るExcelは、例外なくこの形をしている


――Excelは、社長の最強の管理会計ツールである・第4回――

月次決算でExcelが止まる理由

社長の皆さん、毎月の月次決算は順調に回っていますか?

  • データを集めるのに時間がかかる
  • 集計ミスで修正作業が発生
  • 担当者が交代すると運用が止まる

これらは、Excelの構造や運用ルールが「月次決算に耐えられる形」になっていないことが原因です。

月次が回るExcelには、実は共通した“型”があります。この型を理解すれば、誰でも効率的に月次決算を回せるようになります。


月次が回るExcelの3つの共通構造

1. 入力シートは“日次・現場ベース”

月次の集計をスムーズにするためには、入力シートが日次や現場単位で整理されていることが重要です。

  • 店舗別、営業所別、工程別など、現場単位で入力
  • 日次で売上や経費を入力すると、月次集計が自動化できる

ケーススタディ:小売業

改善前:月末に各店舗から集計表を送ってもらう → 修正作業で1週間かかる
改善後:各店舗が日次で売上を入力 → 月末には自動で集計完了

結果:月次決算のスピードが2倍以上に改善。


2. 集計シートは“自動計算・シンプル構造”

  • 入力シートから必要なデータだけを集計
  • SUMやピボットテーブルで自動集計
  • 手作業でコピー&貼り付けを減らす

ケーススタディ:製造業

改善前:工程別原価を手作業で集計 → 計算ミス多発
改善後:工程別データを入力シートに統合 → 集計シートで自動計算
結果:計算ミスゼロ、社長は数字をすぐに判断可能


3. 分析・レポートシートは“意思決定直結型”

  • 月次の集計結果をそのまま社長や経営会議で使える形に整理
  • グラフや指標(粗利率、在庫回転率、営業利益など)を表示
  • 数字を見た瞬間に意思決定できる

ケーススタディ:サービス業

  • 改善前:売上と経費がバラバラで分析が困難
  • 改善後:
    • 集計シートから必要指標を抽出
    • 月次レポートシートで店舗別・サービス別の粗利率をグラフ化
  • 結果:社長は1画面で「どこを改善すべきか」を即判断可能

月次が回るExcelの特徴

月次決算を止めないExcelには、以下の特徴があります。

  1. 入力→集計→分析が明確に分かれている
    • シート構造がシンプルで、担当者が迷わない
  2. 入力ルールとフォーマットが統一されている
    • 日付、単位、コードなどが統一され、集計ミスゼロ
  3. 集計は自動化されている
    • SUMやピボットテーブル、必要最小限の関数で集計
    • 手作業コピーや修正が不要
  4. 判断に必要な指標がすぐ見える
    • 月次レポートシートに重要指標をまとめる
    • 社長や経営会議でそのまま意思決定可能

現場も社長も迷わない設計のコツ

1. 入力は「現場単位+日次」が鉄則

  • 現場で入力しやすく、月末にまとめる必要がない
  • 月次集計の手間を削減

2. 集計は「自動+シンプル」

  • 計算式や関数は最小限
  • ピボットテーブルでデータの抽出・集計を自動化

3. レポートは「判断直結型」

  • 社長が見る画面には、利益率・損益分岐点・在庫状況など意思決定に必要な情報だけ
  • 不要な数字は極力削除

ケーススタディ:小規模製造業の改善例

  • 入力シート:日次で原材料費・工程別工数・製品数を入力
  • 集計シート:自動計算で月次売上・原価・粗利を集計
  • 分析シート:グラフで月次粗利率を表示、部門別損益も一目で把握

結果:

  • 月次決算が5日以内に完了
  • 社長は数字を見た瞬間に意思決定可能
  • 担当者交代やデータ増加にも対応可能

今日からできる月次回るExcelの作り方

  1. 入力・集計・分析のシートを分ける
  2. 入力は現場単位・日次単位で行う
  3. 集計は自動化、手作業を減らす
  4. レポートは社長が一目で判断できる形にする
  5. 必要な指標だけに絞り、迷う数字は排除

これだけで、月次が滞らないExcelを作ることができます。


今日の一言

月次が回るExcelは例外なく「入力→集計→分析が分かれ、現場と意思決定に直結する構造」を持つ。
Excelの強みは自由度ではなく、月次決算が止まらず、社長の判断を最短で支える設計にある


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