
――DXが、社長の意思決定をどう変えるか・第3回――
DX前の社長の一日──「確認作業」に追われる日常
DXがまだ進んでいない会社では、社長の1日は確認作業で始まり確認作業で終わることが多いです。
- 朝:前日の売上や在庫をチェック
- 午前:各部門の報告を受ける
- 午後:数字の整合性や不明点の確認
- 夕方:翌日対応の指示をまとめる
社長がやるべき**「意思決定」や「戦略立案」は後回し**になりがちです。
ここで重要なのは、DXの前後で社長の時間配分が劇的に変わる点です。
DXが進むと、社長の頭の中は「意思決定」に専念できる
DXを導入すると、社長は日々の数字確認や集計作業から解放されます。
- 売上・粗利・在庫・原価・顧客情報がリアルタイムに可視化
- 数字の齟齬や未入力を探す作業は不要
- 社長は「今何をすべきか」に集中
ケーススタディ:製造業A社
DX導入前:社長は月末まで粗利を把握できず、問題は後手に
DX導入後:毎朝ダッシュボードで前日の粗利を即確認
- 問題部門を即特定
- 改善策をその日のうちに現場へ指示
- 売上や利益の改善スピードが格段に向上
ポイントは、数字を見せるだけでなく、意思決定の前提が揃うことです。
DXで社長の仕事は「先手」に変わる
DXが進むと、社長の仕事は受け身から能動へシフトします。
- 従来:問題が発生してから対処(後手)
- DX後:数字のトレンドから問題を予測 → 先に手を打つ(先手)
ケーススタディ:小売業B社
- 在庫と売上データをリアルタイムで連動
- 店舗ごとの売れ筋・死筋を即座に把握
- キャンペーンや発注量を先読みして決定
- 結果:売上増・在庫回転率改善
DXは単なる「情報の可視化」ではなく、社長の意思決定を先取りさせる仕組みなのです。
社長の時間配分はこう変わる
DX前後で社長の1日の時間配分を比べると、変化は歴然です。
| 時間帯 | DX前 | DX後 |
|---|---|---|
| 朝 | 数字確認・集計 | ダッシュボード確認(10分) |
| 午前 | 部門報告・整合性チェック | 戦略会議・意思決定 |
| 午後 | 修正指示・集計 | 新規施策検討・改善指示 |
| 夕方 | 翌日の準備 | 自由時間・戦略検討 |
- DX前:数字の確認・集計に70%以上の時間
- DX後:意思決定・戦略検討に70%以上の時間
つまり、社長が本来やるべき仕事に、圧倒的に時間を使えるようになるのです。
意思決定が速くなると、現場も変わる
社長の意思決定が速くなると、現場の動きも大きく変わります。
- 現場は即座に改善アクションが求められることを理解
- 数字を見ながら自律的に判断
- 社長の承認待ちが減り、業務スピードが向上
ケーススタディ:サービス業C社
- DXで売上・顧客データを一元化
- 社長は毎朝ダッシュボード確認 → 問題点を即指示
- 現場は数字を見ながら自律対応
- 月次の意思決定スピードは1週間→1日へ短縮
現場と社長の意思決定サイクルが同期することで、会社全体の判断スピードが飛躍的に上がります。
DXで社長の思考は「戦略中心」になる
数字確認の手間がなくなると、社長は次のような「未来志向」の仕事に時間を割けます。
- 新規事業・販路拡大の戦略立案
- 部門ごとの資源配分や投資判断
- トレンド分析や競合分析による先読み
- KPIや管理会計の改善策設計
ケーススタディ:製造業D社
- DXで原価・売上・在庫のトレンドをリアルタイム可視化
- 社長は毎朝10分で数字を把握 → その日の意思決定を即実行
- 結果:戦略立案や新規投資に集中でき、売上前年比120%を達成
ポイントは、DXによって社長の思考が「戦略的」へシフトすることです。
DXは単なるIT化ではなく、社長の頭の中の働き方を変える**「意思決定革命」**です。
数字の可視化と意思決定フローを整えることで、社長の時間価値と会社のスピードは一気に変わります。
今日の一言
DXが進むと、社長は数字の確認から解放され、意思決定と戦略立案に集中できる。
社長の仕事の質が変わり、会社全体の判断スピードも飛躍的に向上する。
