
― 集客は“認知”ではなく、“決心の瞬間”をつかまえる仕事 ―
前回の記事では、
「集客がうまくいかない原因は、売り方ではなく“誰”の問題」
という話をしました。
今回は、その続きです。
「誰」を定めたとしても、次に必ずぶつかる壁があります。
それが、
その人は、いつ相談しようと思うのか?
という問いです。
実は、多くの集客が失敗する理由は、
“相談する気になっていない人”に向かって、一生懸命話しかけている
ことにあります。
「いいサービスですね」と言われるのに、問い合わせは来ない理由
こんな経験はないでしょうか。
- ブログを読んだ人から
「分かりやすいですね」「勉強になります」と言われる - SNSで「いいね」は付く
- セミナー後のアンケート評価も悪くない
それなのに、
相談や問い合わせには繋がらない。
この状態、実はかなり多くの会社が陥っています。
なぜか。
それは、
相手が“まだ相談する段階にいない”からです。
つまり、
- 情報としては面白い
- 話としては理解できる
- でも「今すぐ誰かに相談するほどではない」
このゾーンに向けて、
どれだけ良い話をしても、集客にはなりません。
人は「分からない」だけでは、相談しない
ここで、一つ重要な事実があります。
人は、分からないだけでは相談しません。
例えば、
- 会計が苦手
- マーケティングがよく分からない
- 法律のことは詳しくない
こうした「分からない」は、
多くの場合、放置されます。
では、いつ相談するのか。
それは、
分からないことが、
何かしらの“問題”として表面化したとき
です。
- 数字が分からない → 銀行に説明できない
- 集客が分からない → 売上が下がり始めた
- 人の問題が分からない → 辞められて困った
「困った」という感情が、初めて人を動かします。
相談が生まれるのは「3つの条件」がそろったとき
では、もう一歩踏み込みましょう。
人が「相談しよう」と決心する瞬間には、
ある共通の条件があります。
それは、次の3つです。
① 放置できない違和感が生まれたとき
最初は小さな違和感です。
- なんとなく数字が合わない
- 以前より忙しいのに、手応えがない
- このやり方、いつまで通用するんだろう
この段階では、まだ相談しません。
「気のせいかな」で終わります。
② 自分だけでは判断できないと気づいたとき
次に起こるのが、これです。
- ネットで調べてみた
- 本を読んでみた
- 過去の経験を当てはめてみた
それでも、
「これで合っているか分からない」
という状態にぶつかります。
ここで初めて、
「誰かに聞いたほうがいいかもしれない」
という選択肢が浮かびます。
③ 間違えたときのリスクを意識したとき
最後の決定打は、これです。
- この判断、失敗したらどうなる?
- 取り返しがつかなくなるかも
- 後から「もっと早く相談すればよかった」と思いそう
“自己判断の怖さ”を感じた瞬間、相談は現実的な選択肢になります。
事例:数字の相談が増えたタイミング
ある社長の話です。
その方は、以前から数字が得意ではありませんでした。
ただ、長年の感覚経営で何とかなっていた。
ところが、ある年から状況が変わります。
- 売上は横ばい
- 忙しさは増している
- なのに、手元にお金が残らない
この時点では、まだ相談していません。
転機になったのは、銀行との面談でした。
「今後の見通しを、数字で説明してください」
この一言で、こう感じたそうです。
あ、これは自分だけでは無理だ
この瞬間が、
「相談しよう」と決めた瞬間です。
ポイントは、
「数字が分からない」こと自体ではありません。
判断を迫られ、失敗できない場面に立たされたこと
これが引き金になっています。
多くの集客が外している「タイミング」の話
ここで、集客の話に戻しましょう。
多くの発信は、
次のような前提で作られています。
- 役立つ情報を出せばいい
- 正しい知識を伝えればいい
- 価値が伝われば、いつか相談してくれる
これは半分正しくて、半分間違いです。
なぜなら、
人は「役立つ」から相談するのではなく、
「今、判断できなくて困っている」から相談する
からです。
集客で狙うべきなのは、
- 知りたい人
ではなく - 決められなくて止まっている人
です。
「今すぐ客」は、探しに行くものではない
よく、
今すぐ客を集めたい
という言葉を聞きます。
ですが、これは少し誤解があります。
「今すぐ客」は、作り出すものではありません。
すでに存在しています。
ただし、
- 本人はそれを自覚していない
- 言語化できていない
- 誰に相談すればいいか分からない
この状態にいます。
集客の役割は、
その人に向かってこう声をかけることです。
もしかして、今こんなことで止まっていませんか?
この一言が刺さったとき、
人は初めて「相談」を意識します。
相談を生む集客は、「答え」より「問い」を投げる
ここで大事な視点があります。
相談を生む集客では、
答えを教えすぎてはいけません。
むしろ必要なのは、
- 今の判断、難しくありませんか?
- それ、一人で決める必要ありますか?
- そのまま進んで、本当に大丈夫ですか?
という問いです。
問いを投げられることで、人は、
- 自分の状況を振り返り
- 判断の重さに気づき
- 「誰かと話したほうがいいかも」と感じる
このプロセスを踏みます。
今日の一言
人は「分からない」からではなく、
「決められない」と気づいたときに、相談する。
次回は、
「集客接点を増やす前に、必ずやるべき棚卸し」
について掘り下げていきます。
