②人はいつ「相談しよう」と思うのか?


― 集客は“認知”ではなく、“決心の瞬間”をつかまえる仕事 ―

前回の記事では、
「集客がうまくいかない原因は、売り方ではなく“誰”の問題」
という話をしました。

今回は、その続きです。

「誰」を定めたとしても、次に必ずぶつかる壁があります。
それが、

その人は、いつ相談しようと思うのか?

という問いです。

実は、多くの集客が失敗する理由は、
“相談する気になっていない人”に向かって、一生懸命話しかけている
ことにあります。

「いいサービスですね」と言われるのに、問い合わせは来ない理由

こんな経験はないでしょうか。

  • ブログを読んだ人から
    「分かりやすいですね」「勉強になります」と言われる
  • SNSで「いいね」は付く
  • セミナー後のアンケート評価も悪くない

それなのに、
相談や問い合わせには繋がらない。

この状態、実はかなり多くの会社が陥っています。

なぜか。

それは、
相手が“まだ相談する段階にいない”からです。

つまり、

  • 情報としては面白い
  • 話としては理解できる
  • でも「今すぐ誰かに相談するほどではない」

このゾーンに向けて、
どれだけ良い話をしても、集客にはなりません。

人は「分からない」だけでは、相談しない

ここで、一つ重要な事実があります。

人は、分からないだけでは相談しません。

例えば、

  • 会計が苦手
  • マーケティングがよく分からない
  • 法律のことは詳しくない

こうした「分からない」は、
多くの場合、放置されます。

では、いつ相談するのか。

それは、

分からないことが、
何かしらの“問題”として表面化したとき

です。

  • 数字が分からない → 銀行に説明できない
  • 集客が分からない → 売上が下がり始めた
  • 人の問題が分からない → 辞められて困った

「困った」という感情が、初めて人を動かします。

相談が生まれるのは「3つの条件」がそろったとき

では、もう一歩踏み込みましょう。
人が「相談しよう」と決心する瞬間には、
ある共通の条件があります。

それは、次の3つです。

① 放置できない違和感が生まれたとき

最初は小さな違和感です。

  • なんとなく数字が合わない
  • 以前より忙しいのに、手応えがない
  • このやり方、いつまで通用するんだろう

この段階では、まだ相談しません。
「気のせいかな」で終わります。

② 自分だけでは判断できないと気づいたとき

次に起こるのが、これです。

  • ネットで調べてみた
  • 本を読んでみた
  • 過去の経験を当てはめてみた

それでも、
「これで合っているか分からない」
という状態にぶつかります。

ここで初めて、
「誰かに聞いたほうがいいかもしれない」
という選択肢が浮かびます。

③ 間違えたときのリスクを意識したとき

最後の決定打は、これです。

  • この判断、失敗したらどうなる?
  • 取り返しがつかなくなるかも
  • 後から「もっと早く相談すればよかった」と思いそう

“自己判断の怖さ”を感じた瞬間、相談は現実的な選択肢になります。

事例:数字の相談が増えたタイミング

ある社長の話です。

その方は、以前から数字が得意ではありませんでした。
ただ、長年の感覚経営で何とかなっていた。

ところが、ある年から状況が変わります。

  • 売上は横ばい
  • 忙しさは増している
  • なのに、手元にお金が残らない

この時点では、まだ相談していません。

転機になったのは、銀行との面談でした。

「今後の見通しを、数字で説明してください」

この一言で、こう感じたそうです。

あ、これは自分だけでは無理だ

この瞬間が、
「相談しよう」と決めた瞬間です。

ポイントは、
「数字が分からない」こと自体ではありません。

判断を迫られ、失敗できない場面に立たされたこと
これが引き金になっています。

多くの集客が外している「タイミング」の話

ここで、集客の話に戻しましょう。

多くの発信は、
次のような前提で作られています。

  • 役立つ情報を出せばいい
  • 正しい知識を伝えればいい
  • 価値が伝われば、いつか相談してくれる

これは半分正しくて、半分間違いです。

なぜなら、

人は「役立つ」から相談するのではなく、
「今、判断できなくて困っている」から相談する

からです。

集客で狙うべきなのは、

  • 知りたい人
    ではなく
  • 決められなくて止まっている人

です。

「今すぐ客」は、探しに行くものではない

よく、

今すぐ客を集めたい

という言葉を聞きます。

ですが、これは少し誤解があります。

「今すぐ客」は、作り出すものではありません。
すでに存在しています。

ただし、

  • 本人はそれを自覚していない
  • 言語化できていない
  • 誰に相談すればいいか分からない

この状態にいます。

集客の役割は、
その人に向かってこう声をかけることです。

もしかして、今こんなことで止まっていませんか?

この一言が刺さったとき、
人は初めて「相談」を意識します。

相談を生む集客は、「答え」より「問い」を投げる

ここで大事な視点があります。

相談を生む集客では、
答えを教えすぎてはいけません。

むしろ必要なのは、

  • 今の判断、難しくありませんか?
  • それ、一人で決める必要ありますか?
  • そのまま進んで、本当に大丈夫ですか?

という問いです。

問いを投げられることで、人は、

  • 自分の状況を振り返り
  • 判断の重さに気づき
  • 「誰かと話したほうがいいかも」と感じる

このプロセスを踏みます。

今日の一言

人は「分からない」からではなく、
「決められない」と気づいたときに、相談する。

次回は、
「集客接点を増やす前に、必ずやるべき棚卸し」
について掘り下げていきます。


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