
― 集客が動き出す、いちばん地味で、いちばん効く作業 ―
「集客をどうにかしたいんです」
そう相談を受けると、多くの社長はこう続けます。
- SNSを頑張ったほうがいいですか?
- ホームページを作り直すべきですか?
- 広告って出したほうがいいんでしょうか?
ですが、ここで一度立ち止まって考えてみてください。
集客の悩みは、本当に“手段”の問題でしょうか?
実は、多くの集客不調は「やり方」ではなく、
もっと手前の“定義”が曖昧なことが原因です。
今回の記事では、
社長ひとり・30分でできる「誰の困りごと」定義ワークを通して、
集客の土台を作る思考プロセスを、順を追って疑似体験してもらいます。
なぜ最初に「誰の困りごと」なのか?
集客とは、突き詰めるととてもシンプルです。
困っている人に
「それ、解決できますよ」と伝えること
ところが実際には、
- うちは〇〇業です
- こんなサービスをやっています
- 実績はこれくらいあります
という“自分側の話”ばかりを発信してしまいがちです。
でも、考えてみてください。
困っている本人が知りたいのは、
- 自分のこのモヤモヤは何なのか
- それを分かってくれる人はいるのか
- 放っておくとどうなるのか
このあたりです。
つまり、
「誰の」「どんな困りごと」かを言語化できない限り、集客は始まらない
というわけです。
よくある失敗例:「ターゲットは〇〇です」
ここで、よくあるケースを見てみましょう。
ターゲットは、中小企業の社長です
30〜50代で、成長意欲のある方です
一見、ちゃんと考えているように見えます。
ですが、これではまだ足りません。
なぜなら、
- 中小企業の社長は、全員同じことで困っているわけではない
- 年齢や属性が分かっても、「今、何に困っているか」は分からない
からです。
集客に必要なのは「人物像」ではなく「困りごと像」です。
今日やるのはこれだけです(全体像)
今回の30分ワークでやることは、たった3つです。
- 思い浮かぶ「困っていそうな人」を1人決める
- その人が日常で感じている困りごとを書き出す
- 「なぜ今それが問題なのか」を深掘りする
紙とペン、もしくはメモアプリがあれば十分です。
STEP1|「一番よく知っている1人」を思い出す(10分)
まずは、こう考えてください。
最近、仕事で関わった人の中で
「この人、困ってたな」と思い出せる人は誰か?
- お客さん
- 見込み客
- 知人の社長
- 昔の自分
誰でも構いません。
ポイントは「実在する1人」です。
ここでよくある間違いは、
- 理想のお客さんを想像する
- まだ出会っていない完璧な人物像を作る
ことです。
今日はあくまで、
記憶にある、生々しい1人を思い出してください。
STEP2|その人の「日常の困りごと」を書き出す(10分)
次に、その人がどんなことで困っていたかを書き出します。
ポイントは、
専門用語にしないことです。
例えば、
×「集客導線が弱い」
○「紹介に頼っていて、この先が不安」
×「利益率が低い」
○「売上はあるのに、なぜかお金が残らない」
×「組織化できていない」
○「全部自分で決めないと回らない」
できれば、
その人が実際に口にしていそうな言葉で書いてみてください。
最低でも5つ、多ければ10個くらい出してみましょう。
ケーススタディ|ある小規模事業の社長の場合
例えば、こんなケースがあります。
- お客さんは来ているが、なぜ来ているのか分からない
- 忙しいのに、将来の見通しが立たない
- 新しいことをやりたいが、失敗が怖い
- 数字を見るのが苦手で、感覚で判断している
- 相談できる相手がいない
ここまで書き出すと、
「この人が今、どんな状態にいるのか」が、かなり具体的に見えてきます。
STEP3|「なぜ今、それが問題なのか?」を掘る(10分)
最後の10分が、いちばん大事です。
書き出した困りごとに対して、
こう問いかけてみてください。
もしこの状態が、あと1年続いたらどうなる?
例えば、
- 忙しさは増えるが、余裕は減る
- 判断を先送りし続ける
- 気づいたら選択肢がなくなっている
ここで初めて、
困りごとが「今すぐ向き合うべき問題」に変わります。
人は、
「困っている」だけでは動きません。
「このままだとまずい」と感じたときに、初めて相談を考えます。
「誰の困りごと」が定義できると、何が変わるのか?
このワークをやると、次の変化が起こります。
- 発信内容に迷わなくなる
- 「何を書けばいいか」が自然に浮かぶ
- 集客施策を選ぶ基準ができる
つまり、
集客が“点”ではなく“構造”として見え始めるのです。
逆に言えば、
ここが曖昧なままでは、
- SNSを増やしても
- 広告を出しても
- サイトを作り直しても
手応えは出にくいでしょう。
よくある質問|これで本当に足りるんですか?
答えは、
「最初は、これで十分」です。
いきなり完璧な定義は必要ありません。
大切なのは、
- 自分の中に、判断の軸を持つこと
- 「誰に向けているか」を常に意識できる状態になること
この30分ワークは、
集客構造設計のスタート地点です。
今日の一言
集客は、増やす前に「定める」。
誰の、どんな困りごとに向き合うのかが決まらない限り、集客は動き出さない。
次回は、
この「困りごと」が
人の行動につながる瞬間について、さらに掘り下げていきます。
