
― 改善施策は、一つずつ順次行うほうがうまくいく ―
「やることが多すぎて、何から手を付ければいいか分からない」
集客について相談を受けると、ほぼ必ずと言っていいほど出てくるのが、この言葉です。
- SNSも更新した方がいい気がする
- ホームページも直した方がいい
- チラシも効果が落ちている
- 紹介が増えないのも気になる
どれも正しい。
どれも「やった方が良さそう」。
でも、結果として何が起きているかというと、
全部を少しずつ気にして、結局どれも変わらない、という状態です。
今回のテーマは、ここから一歩抜け出すための話です。
「改善テーマを1つだけ決める」。
これだけで、集客の景色は驚くほど変わります。
改善が進まない最大の原因は「全部気になる病」
多くの社長は真面目です。
だから、数字を見れば見るほど、気になる点が増えます。
- アクセス数が少ない
- 問い合わせ率も高くない
- 成約率も完璧ではない
すると、頭の中ではこうなります。
「全部ダメな気がする…」
でも、冷静に考えてみてください。
全部が同時にダメで、全部を同時に直さなければならない集客構造なんて、
実はほとんど存在しません。
改善が進まない本当の原因は、
「やる気がない」でも
「能力が足りない」でもなく、
改善テーマを絞っていないこと
これに尽きます。
集客改善は「ボトルネック探し」のゲーム
集客構造は、よく「流れ」で表現されます。
- 見られる
- 興味を持たれる
- 相談される
- 申込みされる
この流れの中で、一番詰まっている場所。
そこが、今やるべき改善テーマです。
ここで大事なのは、
「一番気になるところ」ではなく
「一番詰まっているところ」を見ること。
感情ではなく、構造で判断します。
事例:全部直そうとして失敗した社長
あるサービス業の社長の話です。
この方は、毎月こんなことをしていました。
- SNSの投稿内容を毎週変える
- ホームページの文章を少しずつ直す
- チラシのデザインを微修正する
でも、問い合わせ数はほぼ横ばい。
「何が悪いんでしょうか?」と相談を受けました。
一緒に構造を整理すると、
実はアクセス数は十分にある。
でも、問い合わせ率が極端に低い。
原因は明確でした。
「相談する理由」が言葉になっていなかったのです。
この場合、改善テーマは1つだけ。
“相談したくなる状態を言語化する”。
SNSもチラシも一旦ストップ。
そこだけに集中しました。
結果、2か月後には問い合わせ数が約1.8倍に。
やったことは「1つだけ」です。
改善テーマは「数字×構造」で決める
では、どうやって「1つ」を決めるのか。
ポイントはとてもシンプルです。
ステップ① 数字を3つだけ見る
前回お話しした、最低限の3つです。
- 接触数(見られているか)
- 相談率(行動しているか)
- 成約率(決まっているか)
この3つを、ざっくりで構いません。
ステップ② 一番“落差”が大きいところを見る
例えば、こうです。
- 見られている:そこそこ
- 相談率:かなり低い
- 成約率:悪くない
この場合、改善テーマは明確です。
「相談率」一択。
逆に、
- 見られていない
- 相談率:高め
- 成約率:普通
なら、テーマは「見られる仕組み」。
一番低い数字ではなく、一番“詰まりの原因になっている数字”を見るのがコツです。
「全部ちょっとずつ」は、実は一番遠回り
ここで、多くの社長が不安になります。
「他のところは放っておいて大丈夫ですか?」
答えは、
大丈夫です。むしろその方がいい。
集客改善は、積み木と同じです。
一番下が詰まっているのに、上だけ直しても崩れます。
1つ改善すると、
次に詰まる場所が自然と見えてきます。
だから、
- 今月はここ
- 次はここ
と、順番に直す方が圧倒的に早いのです。
改善テーマは「行動に落ちる言葉」で決める
もう一つ大切なポイントがあります。
改善テーマは、必ず行動に変換できる言葉にすること。
❌ 悪い例
- 集客を強化する
- 発信を頑張る
⭕ 良い例
- 問い合わせ前に読む1ページを作る
- 相談事例を3つ言語化する
「やることが1文で説明できるか?」
これが判断基準です。
迷ったら、この質問を自分に投げてみる
もし、それでも迷ったら、
この質問を使ってください。
今月、1つだけ数字を動かせるとしたら、どこを動かしたいか?
全部ではありません。
1つだけです。
この問いに答えられた瞬間、
改善テーマはほぼ決まっています。
社長の仕事は「選ばないこと」ではなく「捨てること」
集客改善において、社長がやるべきことは、
「全部を管理する」ことではありません。
- 今はやらないことを決める
- 今は見ない数字を決める
これができると、驚くほど楽になります。
改善テーマを1つに絞ることは、
手を抜くことではなく、
構造的に正しい判断です。
今日の一言
集客が動かない理由は、やることが足りないからではない。
“1つに決めていない”だけだ。
