
―「ちゃんと見ているつもり」ほど、数字は動かない―
「アクセスは見ています」
「数字は一応、追っています」
「でも、なぜか改善しないんですよね……」
集客の相談をしていると、
この言葉が出てくる会社は本当に多いです。
しかも不思議なことに、
まったく数字を見ていない会社より、
“ある程度は見ている会社”の方が、改善しないことが多い。
今回は、支援現場から見えてきた
「集客数字が改善しない会社に共通する構造」を、
いくつかの視点から整理してみます。
問題は、努力不足でも、能力不足でもありません。
ほとんどの場合、数字との付き合い方そのものに原因があります。
共通点①|数字を「結果」だと思っている
まず最初の共通点が、これです。
数字は結果
だから、上がったか下がったかを見ればいい
一見、もっともらしい考え方です。
売上、問い合わせ数、アクセス数。
どれも「結果」であることは間違いありません。
ただ、この前提のままだと、
数字は一生、改善に使えません。
数字は「評価」ではなく「手がかり」
集客数字の本来の役割は、
良かった・悪かったを判断すること
ではなく
何が起きているかを推測すること
です。
例えば、問い合わせが少ないとき。
- 集客が足りないのか
- 内容が伝わっていないのか
- 相談するハードルが高いのか
数字は、
そのどこに問題がありそうかを教えてくれるヒントです。
でも、
「今月は少なかったな」で終わってしまうと、
何も変わりません。
共通点②|見る数字が多すぎて、判断できなくなっている
次に多いのが、
数字を見すぎて、逆に動けなくなっているケースです。
数字は増やすほど、賢くなるわけではない
- アクセス数
- 直帰率
- 滞在時間
- CTR
- CVR
- フォロワー数
- いいね数
気づけば、
ダッシュボードが数字だらけ。
でも社長に聞くと、
こう返ってきます。
「正直、どれをどう見ればいいのか分からない」
これは、とても自然な状態です。
プロは「見る数字」を意図的に絞る
集客が改善している会社ほど、
見ている数字は驚くほど少ない。
なぜなら、
判断に使えない数字は、見ても意味がない
と知っているからです。
大切なのは、
- 今、どの段階を改善したいのか
- そのために必要な数字は何か
この二点だけ。
目的のない数字管理は、
ただの“安心材料”にしかなりません。
共通点③|数字と「行動」が結びついていない
これは、かなり致命的な共通点です。
- 数字は見ている
- でも、やることは変わらない
この状態。
数字を見たあと、何も決めていない
支援現場で、よくある会話です。
「この数字を見て、どう判断していますか?」
「……特に、何も決めていません」
つまり、
- 数字を見て
- そのまま次の作業に戻る
これでは、
数字が改善するはずがありません。
数字は「次の一手」を決めるためにある
数字を見る意味は、
たった一つです。
次に、何を変えるかを決めるため
例えば、
- 見られているが、問い合わせが少ない
→ 相談ハードルを下げる - 入口は多いが、途中で離脱している
→ 導線を整理する
数字 → 仮説 → 行動
この流れがない会社は、
いつまで経っても同じ数字を見続けます。
共通点④|数字を「責める材料」にしてしまっている
意外と多いのが、
数字が社内のストレス源になっているケースです。
数字を見ると、誰かが悪くなる
- 「SNSの反応が悪い」
- 「HPが弱い」
- 「広告の運用が下手だ」
数字が出るたびに、
犯人探しが始まる。
こうなると、
数字は改善のための道具ではなく、
責任追及の材料になります。
数字は「現象」であって、「犯人」ではない
数字は、
誰かの能力を評価するものではありません。
今、構造として何が起きているか。
その結果が、たまたま数字に表れているだけです。
責める前提で見る数字は、
必ず、改善を止めます。
ケーススタディ|半年間、数字が止まっていた会社
ある会社では、
- 毎月、数字をまとめて
- 会議で共有し
- 「来月は頑張ろう」で終わっていました
半年間、
ほぼ同じ数字が続いていました。
そこでやったのは、
新しい施策ではありません。
- 見る数字を3つに絞る
- 数字ごとに「仮説の問い」を決める
- 毎月、1つだけ改善テーマを決める
これだけで、
数字は少しずつ動き始めました。
理由は単純です。
数字が「行動を決める材料」になったからです。
数字は「管理」するものではない
最後に、とても大事な視点をお伝えします。
集客数字は、
- 管理するもの
- 報告するもの
ではありません。
数字は「会話」するもの
数字を見るとき、
こんな問いを立ててみてください。
- なぜ、ここで止まっているんだろう?
- もし1つだけ変えるなら、どこだろう?
- この数字が動いたら、何が楽になるだろう?
数字と会話が始まると、
集客は「作業」から「思考」に変わります。
今日の一言
集客数字が改善しない会社は、
数字を見ていないのではない。
数字を“使っていない”だけだ。
数字は、責めるためでも、眺めるためでもなく、
次の一手を決めるためにあります。
