
――なぜあなたの会社は、数字が揃わないのか・第2回――
「あとでExcelにまとめる」は社長の永遠の悩み
多くの中小企業で見られる光景です。
- 売上データは手書きで集めて、あとでExcelにまとめる
- 経費や仕入れも同様に「後で入力」
- 社員は毎月、月末に大量のデータをまとめる
社長からすると、「データはあるはずなのに、すぐに判断できない」状態が続きます。
なぜ、Excelにまとめる作業は永遠に終わらないのでしょうか? その理由は、単なる「作業量の多さ」だけではありません。
理由① データが発生するタイミングと集計のタイミングがずれている
多くの会社では、データは日々発生しているのに、集計は月末や週末にまとめて行われます。この「タイムラグ」が大きな原因です。
ケーススタディ:小売店の売上集計
ある地方の小売店では、各店舗の売上データを手書きで集め、月末にExcelにまとめていました。
- 集計にかかる時間:1日〜2日
- 社長が判断できるのは、最短でも月初
この結果、「今すぐ売上が伸びている商品は?」、「閑散時間帯にスタッフを増やすべきか?」といったリアルタイムの意思決定ができません。
ポイント
「あとでまとめる」は、現場と社長の意思決定にタイムラグを生むのです。
理由② データ入力の負荷が大きすぎる
Excelにまとめる作業は、一度に大量のデータを扱うため、負荷が大きくなります。
ケーススタディ:建設業の工事管理
ある建設会社では、工事ごとの作業報告を月末にExcelにまとめていました。1か月分の工事は50件以上。
- データ入力にかかる時間:1日〜2日
- 入力ミスの発生率:5%前後
社員は毎月「あとでまとめる」作業に追われ、他の業務に手が回らず、モチベーションも低下しました。
ポイント
負荷が大きい作業は、後回しにされやすく、永遠に終わらなくなります。
理由③ 集計ルールが曖昧で統一されていない
Excelにまとめる作業が終わらないもう1つの理由は、「入力や集計のルールが曖昧」だからです。
ケーススタディ:飲食店の売上集計
ある飲食店では、売上日報をスタッフが自由に記入していました。
- 日報の形式:自由形式(手書き)
- 数字の単位:円か千円かバラバラ
- 記入方法:人数分か合計のみかも統一されていない
このため、Excelにまとめるときに形式を統一する作業が必要で、さらに時間がかかります。
ポイント
集計ルールが曖昧だと、Excel作業は終わらないし、数字の信頼性も低下します。
理由④ データの発生源が分散している
データの発生源が複数に分かれていると、Excelにまとめる作業はさらに複雑になります。
ケーススタディ:中小製造業
- 営業部:受注データをExcelで管理
- 現場:作業進捗を手書き
- 経理:仕入・支払を会計ソフトで入力
これを1つのExcelにまとめるためには、データ形式を揃え、重複をチェックし、欠落データを確認する必要があります。
ポイント
データが分散していると、まとめる作業は単純な作業量の問題ではなく、「複雑度の問題」になります。
理由⑤ 「あとでまとめる」文化が根付いている
最後に、Excel作業が永遠に終わらない根本原因は、会社の文化です。
- 「とりあえず後でやればいい」
- 「月末にまとめれば間に合う」
- 「誰かがまとめてくれるはず」
こうした文化がある限り、作業は後回しにされ、データは常に未整理のままです。
ケーススタディ:サービス業の月次報告
あるサービス会社では、月末に毎回社員が売上を集計し、社長に報告するルーチンがあります。しかし、社員は「月末までやらなくていい」と思っているため、集計漏れや誤記が多発。結果、社長は毎回手直し作業に追われました。
ポイント
文化が変わらない限り、Excel作業は永遠に終わりません。
解決のカギは「データを日常に取り込む」こと
では、どうすれば「あとでまとめる」地獄から抜け出せるのでしょうか?答えは簡単です。
- データは発生と同時に記録する
- 入力ルールを統一する
- 集計は自動化する(Excelマクロ、クラウドツールなど)
- 社長がリアルタイムで数字を見られる仕組みを作る
ケーススタディ:小規模飲食店の改善
- POSレジ導入で売上データを自動集計
- データはリアルタイムでクラウドに反映
- 社長はスマホで売上・利益を即確認
結果、月末にまとめる作業はほぼ不要になり、意思決定スピードも格段に向上しました。
今日からできる3つのアクション
- データを発生源で記録する
- 手書きではなく、現場で即入力
- 入力ルールを統一する
- 単位、形式、計算方法を全員で統一
- 自動集計・可視化ツールを活用する
- ExcelでもクラウドでもOK、手作業は最小限に
これだけで「あとでまとめる」地獄から解放されます。
今日の一言
「あとでExcelにまとめる」は永遠に終わらない。
データは発生と同時に記録し、ルールを統一し、自動化することで、
初めて意思決定に活かせる数字になる。
