
― 集客は“困りごと”の先で、初めて動き出す ―
前回の記事では、
30分でできる「誰の困りごと」定義ワークを行いました。
あの記事を読んで、こんな感覚を持った方もいるかもしれません。
- 困りごとは整理できた
- でも、これだけで本当に相談につながるのだろうか?
- 「困っている=相談する」ではない気がする
この感覚、かなり鋭いです。
実はここに、
集客が“空振り”で終わるか、“相談”につながるかの分かれ目があります。
今回は一歩進んで、
人が「相談しよう」と思う状態そのものを言葉にしていきます。
使うのは、たった3つの質問です。
そもそも、人はなぜ相談しないのか?
まず大前提として、確認しておきたいことがあります。
人は、困っていても、なかなか相談しません。
- 忙しいから
- まだ何とかなると思っているから
- 誰に相談していいか分からないから
- 相談するほどでもない気がするから
つまり、
困っている
= すぐに相談する
ではない、ということです。
集客でよくあるズレは、
「困りごと」をそのまま提示してしまうことにあります。
それだけでは、
相手の行動は動きません。
集客は「状態」を設計する仕事
ここで、少し視点を変えてみましょう。
集客とは、
- 商品を売ること
- サービスを説明すること
ではありません。
「人が相談したくなる状態」を、言葉で再現すること
これが、集客の正体です。
そのためには、
- どんな状態になると
- 人は「このままじゃまずい」と感じ
- 「誰かに相談しよう」と思うのか
を、社長自身が理解しておく必要があります。
今日やること|3つの質問で「相談前夜」を描く
今回のセルフ実践では、
次の3つの質問に答えていきます。
- それを放置すると、何が一番困るのか?
- 何が“きっかけ”で、限界を感じるのか?
- 相談する直前、頭の中では何が起きているのか?
これは、
相談が起きる“直前の状態”を言語化するための質問です。
順番に見ていきましょう。
質問①|それを放置すると、何が一番困るのか?
まず最初の質問です。
この困りごとを放置したら、
その人にとって「一番困ること」は何だろう?
ここでのポイントは、
不便さではなく、痛みに目を向けることです。
例えば、
- 売上が安定しない
→ ×「数字が読めない」
→ ○「将来の判断ができない」 - 集客が不安定
→ ×「お客さんが増えない」
→ ○「次の一手を打つ勇気が持てない」
人が本当に困るのは、
行動できなくなることです。
ケーススタディ|忙しいのに不安が消えない社長
ある社長は、こんな状態でした。
- 仕事は途切れていない
- 毎日忙しい
- でも、なぜか将来の安心感がない
この場合の「一番困ること」は何でしょうか?
答えは、
このまま続けていいのか、
判断できないこと
です。
つまり、
困りごと → 判断不能 → 不安
この流れが見えてくると、
相談の必然性が一気に高まります。
質問②|何が“きっかけ”で限界を感じるのか?
次の質問です。
その人は、どんな出来事をきっかけに
「さすがにこのままではまずい」と感じるのか?
人は、
ずっと同じ温度で困り続けるわけではありません。
必ず、
温度が一気に上がる瞬間があります。
例えば、
- 売上が一度大きく落ちた
- 忙しいのに、手元にお金が残らなかった
- 誰かに数字のことを聞かれて答えられなかった
- 家族に「この先大丈夫なの?」と言われた
こうした“引き金”が、
相談行動を生みます。
よくある勘違い|論理では、人は動かない
ここで注意したいのは、
人が動くのは正しさではなく、感情だという点です。
- このままだと危険です
- 数字的に問題があります
と説明されても、
人はなかなか動きません。
でも、
- このままだと、選択肢がなくなる
- 何も決められない状態が続く
こう言われると、
一気に「自分のことだ」と感じます。
質問③|相談する直前、頭の中では何が起きているのか?
最後の質問です。
その人が「相談しよう」と思う直前、
頭の中では、どんな独り言が流れているだろう?
ここが言語化できると、
集客メッセージの精度は一気に上がります。
例えば、
- 「自分のやり方、間違ってるのかな…」
- 「誰かに聞けば楽になるかもしれない」
- 「このまま続けるのは、さすがに怖い」
この心の声こそが、
相談の入口です。
3つの質問をつなげると、こうなる
ここまでの3つをつなげてみましょう。
- 放置すると → 判断できない状態が続く
- きっかけは → 数字を聞かれて答えられなかった瞬間
- 直前の思考 →「このままじゃダメだ。誰かに整理してもらいたい」
ここまで言語化できれば、
「相談したくなる状態」そのものが浮かび上がります。
これはもう、
テクニックではありません。
相手の立場に立って、未来を一緒に想像した結果です。
この作業が、集客にどう効くのか?
この3つの質問に答えられるようになると、
- 発信内容が「刺さる」ようになる
- 説明しなくても「分かってもらえる」感覚が出る
- 相談される確率が上がる
という変化が起こります。
なぜなら、
人は「自分の状態を言い当てられた」ときに、心を開く
からです。
よくある不安|重くなりすぎませんか?
ここまで読むと、
「ちょっと重たい話になりすぎないか?」
と不安になるかもしれません。
大丈夫です。
これは、
相手を追い詰めるための言葉ではありません。
「あなたの状態、ちゃんと分かっていますよ」
と伝えるための言葉です。
重さではなく、
解像度の問題なのです。
今日の一言
人は、困ったときではなく、
「このままではまずい」と気づいたときに相談する。
集客とは、その“気づきの直前”を言葉にする仕事である。
次回は、
こうして言語化した状態をもとに、
集客の流れをどう設計するかを扱っていきます。
