
――頑張らないと儲からない会社は、設計が間違っている・第2回――
「ビジネスモデル」と聞いた瞬間、思考が止まる
社長にこう聞くと、よくこんな反応が返ってきます。
「ビジネスモデルって、
うちみたいな小さな会社には関係ないですよね?」
あるいは、
「難しい理論の話でしょ?」
正直に言いましょう。
ほとんどの社長が、ビジネスモデルを誤解しています。
誤解①:ビジネスモデル=IT企業の話
多い誤解の一つが、これです。
- サブスク
- プラットフォーム
- マッチング
こういった言葉を聞くと、
「ああ、ああいう最先端の話ね」
と、思考が止まる。
でも、それは表面の話にすぎません。
実は、八百屋にもビジネスモデルはある
たとえば、街の八百屋。
- 毎日仕入れて
- 店頭に並べ
- 現金で売る
これも立派なビジネスモデルです。
つまり、
ビジネスモデルがない会社は、存在しない
あるのは、
- 意識して作られたモデル
- 成り行きでできたモデル
この2種類だけ。
誤解②:ビジネスモデル=商品やサービスの話
これも非常に多い。
「うちはこの商品で勝負しています」
それは商品の話であって、
ビジネスモデルではありません。
商品とビジネスモデルの決定的な違い
- 商品:何を売るか
- ビジネスモデル:どうやって儲かるか
たとえば、
- 同じ「整体」
- 同じ「ホームページ制作」
でも、
- 単発型
- 月額型
- 紹介特化型
では、
会社の楽さも、利益も、全く違う。
ケーススタディ①:同じ仕事、違う地獄
ある制作会社の例。
A社
- とにかく何でも受ける
- 単発案件中心
- 見積もりは毎回個別
B社
- 業種を絞る
- 月額保守が軸
- 価格はパッケージ化
結果はどうなったか。
- A社:忙殺、利益薄
- B社:安定、余裕あり
商品はほぼ同じ。
違ったのは、儲け方の設計だけ。
誤解③:ビジネスモデルは「一度作ったら終わり」
これも危険な誤解です。
- 起業時に作るもの
- 計画書用のもの
そう思っていると、
現実とのズレがどんどん広がります。
ビジネスモデルは「運転しながら調整するもの」
実際の経営では、
- 思ったより儲からない
- 思ったより忙しい
- 思ったより続かない
こうしたズレが必ず出ます。
ビジネスモデルは、
固定物ではなく、調整対象
です。
管理会計で見るビジネスモデルの正体
ここで、このシリーズの軸に戻ります。
管理会計の視点で言うと、
ビジネスモデルとは、
- どこで粗利を生み
- どこで時間を使い
- どこでお金が残るか
この流れそのものです。
数字にすると、一気に正体が見える
- 売上高
- 粗利率
- 時間あたり粗利
- 固定費の回収構造
これらを並べると、
「あ、ここがしんどい原因だ」
と、
感覚だった違和感が、言語化される。
ケーススタディ②:頑張っても楽にならない理由
ある士業事務所。
- 売上は毎年微増
- でも所長は毎年疲弊
管理会計で分解すると、
- 単価は低い
- 作業時間は増える
- 追加報酬はほぼなし
つまり、
頑張るほど、
自分の時間を削るモデル
になっていた。
「業界的に仕方ない」は思考停止
よく聞く言葉です。
「この業界は、こんなもんです」
本当にそうでしょうか?
同じ業界でも、
- 楽そうな会社
- 苦しそうな会社
が存在します。
違いは、
ビジネスモデルを
意識しているかどうか
です。
ビジネスモデルは「楽をするため」に考える
ここで、価値観をひっくり返します。
ビジネスモデルは、
頑張るためではなく、
楽になるために考える
これが、このシリーズの前提です。
難しい言葉は、全部いりません
- 横文字
- フレームワーク
- 分厚い理論
なくて大丈夫です。
必要なのは、たった一つ。
「この仕組みで、
自分は楽になるか?」
今日の一言
ビジネスモデルとは、
何を売るかではない。
どうすれば“頑張らなくても”
利益が残るかの設計図である。
