
――頑張らないと儲からない会社は、設計が間違っている・第5回――
忙しいのは、社員のせいでも能力のせいでもない
まず、最初にお伝えしておきたいことがあります。
- 社員がサボっているから
- 段取りが悪いから
- 効率化が足りないから
忙しい原因は、そこではありません。
本当の原因は、もっと上流にあります。
ビジネスモデルと業務が、
噛み合っていない
これが、ほぼすべての正体です。
ビジネスモデルは「儲け方」、業務は「回し方」
整理しましょう。
- ビジネスモデル
→ どうやってお金を生むか - 業務
→ そのために何をするか
本来この2つは、
ぴったり重なっているはずです。
多くの会社は、この2つを別々に考えている
よくある構図がこれです。
- 社長:売上を伸ばしたい
- 現場:業務が回らない
- 管理部門:数字が合わない
それぞれ、
正しいことを言っているのに、
全体としてうまくいかない。
なぜでしょうか?
原因は「設計図なしで家を建てている」から
これは家づくりに例えると分かりやすいです。
- 何階建てか決めていない
- 間取りも曖昧
- でも工事は始まっている
当然、現場は混乱します。
ビジネスモデル=設計図
業務=工事
設計図が曖昧なら、
工事が混乱するのは当たり前です。
ケーススタディ:なぜ社長が毎回現場に出るのか
ある小規模サービス業の会社。
- 売上はそこそこ
- 社長は毎日現場対応
- 社員も疲弊
社長はこう言っていました。
「社員がまだ任せきれなくて…」
一枚で整理してみた結果
実は問題は、
社員のスキルではありませんでした。
- 受注ごとに内容が違う
- 見積もりも毎回バラバラ
- 作業工程が都度変わる
つまり、
業務が複雑になる
ビジネスモデル
だったのです。
ビジネスモデルは、業務量を決めている
ここが重要なポイントです。
業務が大変なのではない
大変になる設計をしている
売上1件あたりを見てみると…
- 売上はそこそこ
- でも
- 打ち合わせが多い
- 修正が多い
- イレギュラー対応が多い
結果、
1件取るたびに、
業務が重くなる構造
業務改善だけやっても、楽にならない理由
ここで多くの会社がやるのが、
- マニュアル作成
- 業務効率化
- ITツール導入
もちろん、無駄ではありません。
ただし、
ビジネスモデルが変わらない限り、
焼け石に水
になることも多いのです。
「この業務、なぜやっているのか?」と聞けますか
一度、現場の業務を見てみてください。
そして、こう問いかけてみてください。
- この作業は、
どの売上につながっているか? - この業務がなくなったら、
困るのは誰か?
意外と、
誰の利益にも
直接つながっていない業務
が大量にあります。
業務は、ビジネスモデルの“影”
業務は、
ビジネスモデルの影です。
- 儲け方が複雑
→ 業務も複雑 - 儲け方がシンプル
→ 業務もシンプル
これは、ほぼ例外がありません。
儲かる会社ほど、業務が単純な理由
利益が出ている会社を見てみると、
- 売り方が決まっている
- やらないことが明確
- イレギュラーを嫌う
これは偶然ではありません。
業務が増えない
ビジネスモデルを選んでいる
のです。
ケーススタディ:仕事を減らして利益が増えた会社
ある製造業の例です。
- 以前:
- 特注対応が多い
- 社員が常に残業 - 現在:
- 対応範囲を絞る
- 業務を定型化
売上は少し減りましたが、
- 残業激減
- 利益率アップ
社長はこう言いました。
「仕事を減らしたら、
会社が楽になりました」
社長がやるべき仕事は「業務」ではない
ここで、重要な視点です。
社長の仕事は、
- 現場を回すこと
- 細かい判断をすること
ではありません。
業務が自然に回る
ビジネスモデルを設計すること
です。
業務が属人化している会社の共通点
- ベテランしか分からない
- 社長しか判断できない
- 教えるのに時間がかかる
こうした会社は、
ビジネスモデル自体が
属人化している
ことがほとんどです。
「人を増やす前に」見るべきもの
人手不足になると、
- 採用
- 外注
を考えがちです。
でもその前に、
このビジネスモデル、
人が増えたら楽になる設計か?
を必ず確認してください。
ビジネスモデルを変えると、業務は勝手に変わる
- 売り方を変える
- 対応範囲を絞る
- 価格の取り方を変える
これだけで、
- 業務量
- 判断回数
- ストレス
は、大きく変わります。
「頑張らないと回らない」は危険信号
最後に、これだけ覚えておいてください。
「頑張らないと回らない会社」は、
努力が足りないのではない。
設計が間違っている。
もし今、
「うちは業務が複雑すぎるかも…」
と思ったなら、
改善すべき場所は現場ではなく設計図です。
そこを変えれば、
会社は驚くほど軽くなります。
今日の一言
業務が重いのは、
現場の問題ではない。
儲け方の設計が、
重くしているだけだ。
