①全部は変えられない。社長が選ぶべき3つの利益レバー


利益を増やしたい。でも、正直どこから手を付ければいいのか分からない

「売上をもっと伸ばさないとですよね」
「コストも下げなきゃとは思っているんですが…」

多くの社長が、
“利益を増やしたい”という思いは強く持っています。

けれど同時に、
こんな感覚もないでしょうか。

  • やることが多すぎる
  • どれも中途半端になっている
  • 結局、何を変えれば利益が出るのか分からない

実はこれ、
社長の能力や努力の問題ではありません。

原因はもっとシンプルです。

利益は「全部同時には」変えられない

この事実を、
ちゃんと整理して教わる機会が
ほとんどないだけなのです。

利益は、無限にいじれるものではない

会計の教科書を開くと、
利益はこんな式で表されます。

利益 = 売上 − 費用

一見、とても単純です。

だからこそ、
「売上も上げて、コストも下げて、効率も良くして…」
と、全部を一気に変えようとしてしまいます。

でも現実の経営は、
そんなに都合よくはいきません。

  • 売上を上げようとすると、忙しくなる
  • コストを下げると、現場が回らなくなる
  • 効率を求めると、品質が落ちる

すべては、
トレードオフの関係にあります。

だからこそ社長には、
「選ぶ力」が必要になります。

「管理できる社長」と「振り回される社長」の違い

ここで、
利益が出ている会社と、
なかなか安定しない会社の違いを見てみましょう。

違いは、
売上規模でも、業種でもありません。

違いは、たった一つ。

利益を“どこで動かしているか”を
社長自身が分かっているかどうか

です。

管理できる社長は、こう言います。

  • 「うちは、ここを動かせば利益が変わる」
  • 「今期は、この部分に集中する」

一方で、振り回される社長は、

  • 「全体的に頑張るしかない」
  • 「いろいろ改善しているんですけどね…」

という言葉になりがちです。

この差を生むのが、
利益レバーという考え方です。

利益レバーとは、「社長が触れるつまみ」のこと

ここからが、
今回の本題です。

利益レバーとは何か。

それは、

社長が意図的に動かすことで、
利益に大きな影響を与えられるポイント

のことです。

逆に言えば、

  • 現場任せにしているもの
  • 日々のオペレーションに埋もれているもの

は、
社長の利益レバーではありません。

社長が選ぶべき利益レバーは、
たった3つしかありません。

利益レバー①|粗利率をどう設計するか

最初のレバーは、
粗利率です。

粗利率は、

  • 値決め
  • 原価構造
  • 仕事の受け方

によって決まります。

なぜ粗利率が最優先なのか

理由はシンプルです。

粗利は、
固定費を支払う“原資”だから

です。

どれだけ売上があっても、
粗利が薄ければ、

  • 人件費を払う
  • 家賃を払う
  • 投資をする

余力が残りません。

ケース|売上は伸びたのに、苦しくなった会社

ある会社は、
売上拡大を最優先にしました。

値引きにも応じ、
仕事は増えました。

しかし結果は、

  • 売上は1.5倍
  • 利益はほぼ変わらず
  • 社長は疲弊

原因は明確でした。

粗利率が下がっていた

のです。

粗利率は、
社長が「どの仕事を取るか」を決める
重要なレバーです。

利益レバー②|固定費をどこまで背負うか

2つ目のレバーは、
固定費です。

固定費とは、

  • 売上がゼロでもかかる費用
  • 毎月、必ず出ていくお金

のこと。

代表例は、

  • 人件費
  • 家賃
  • リース料

です。

固定費は「覚悟」の数字

固定費を増やすということは、

この分は、
毎月必ず稼ぎ切る

という覚悟を決めることです。

問題なのは、

  • 何となく増えている
  • 気づいたら膨らんでいる

という状態。

これは、
社長が選んでいない固定費です。

ケース|固定費を見直しただけで、利益が出た会社

あるサービス業では、

  • 売上は横ばい
  • 利益が出ない

状態が続いていました。

詳しく見ると、

  • 使っていない事務所
  • 効果の薄い月額サービス

が固定費として残っていました。

これを整理しただけで、

分岐点が下がり、
同じ売上でも利益が出る構造

に変わりました。

利益レバー③|どれだけの量を売る構造か

3つ目のレバーは、
売上量(数量・件数)です。

ここで重要なのは、

売上“金額”ではなく、
売る“量”で考えること

です。

  • 何件売ればいいのか
  • 何人のお客さんが必要か
  • どれくらいの稼働が限界か

これを把握している社長は、
判断が早くなります。

ケース|「あと何件か分からない」が招く迷い

利益が出ない会社ほど、

  • 「もう少し売上が欲しい」
  • 「もう一段、頑張らないと」

という表現を使います。

一方、管理できている社長は、

あと○件で分岐点を超える

と、量で語ります。

これは、
利益を“管理できている”状態です。

なぜ、3つ同時に触ってはいけないのか

ここで、
とても大事な話をします。

この3つのレバーを、
同時に全部動かそうとしてはいけません

理由は簡単です。

  • 原因が分からなくなる
  • 現場が混乱する
  • 判断基準がブレる

からです。

社長がやるべきことは、

今期は、
どのレバーを主に触るのかを決めること

です。

ワーク|今の自社で、最も効くレバーはどれか?

ここで、
簡単なワークをしてみてください。

次の問いに、
直感で答えてみてください。

  • 値上げ・仕事の選別で改善できそうか?
  • 固定費を見直す余地はあるか?
  • 数量を増やす余白はあるか?

「全部」と思った方も、
一番効きそうなものを一つ
選んでください。

それが、
今のあなたの会社にとっての
主レバーです。

利益を「管理する」とは、選び続けること

利益管理というと、

  • 数字を細かく見る
  • 管理表を作る

ことだと思われがちです。

でも本質は違います。

利益を管理するとは、
触るレバーを決め、
触らないものを決めること

です。

全部を変えようとしない。
今、最も効く一つに集中する。

それができたとき、
社長は初めて
「利益を管理している」状態になります。

次回予告|3つのレバーをどう使い分けるか

次回は、

  • 成長期
  • 停滞期
  • 苦しい時期

それぞれで、

どの利益レバーを選ぶべきか

を、具体例で解説します。

今日選んだ
“主レバー”を頭に置いたまま
読み進めてみてください。

今日の一言

利益は、頑張りの総量では決まらない。
社長が「どのレバーを引くか」で決まる。


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