
――頑張らないと儲からない会社は、設計が間違っている・第4回――
数字が苦手な社長ほど、数字を“分断”して見ている
いきなりですが、質問です。
- 売上は、なんとなく分かる
- 経費も、まあ把握している
- 利益は…決算のときに知る
こんな状態になっていませんか?
これは珍しいことではありません。
むしろ、多くの社長がこの状態です。
問題はここです。
売上・コスト・利益を
別々のものとして見ている
実は、数字は「一本の流れ」になっている
本来、
- 売上
- コスト
- 利益
は、三兄弟ではありません。
一本の川です。
上流が売上。
途中でコストが引かれ、
最後に残るのが利益。
利益が残らない会社は、地図を持たずに川を渡っている
忙しいのに儲からない会社は、
- 売上は増やそうとする
- コストは後から考える
- 利益は結果任せ
つまり、
流れの全体図を見ずに、
部分だけを触っている
「一枚で描く」と、何が変わるのか
ここで言う
**「一枚で描く」**とは、
- 売上の入り口
- お金の使い道
- 最終的に残る金額
を、一枚の紙(または画面)に収めることです。
これをやると、
驚くほど判断が変わります。
ケーススタディ:売上1.5倍でも苦しくなった会社
あるサービス業の会社。
- 売上:前年比150%
- 社長:達成感あり
ところが、
- 手元資金は減少
- 社長はさらに忙しい
なぜでしょうか?
一枚で描いてみた結果
売上は伸びていました。
でも、
- 外注費が比例して増加
- 人件費も後追いで増加
- 固定費が膨張
結果、
売上が増えるほど、
利益率が下がる構造
数字は「合っているか」より「つながっているか」
社長がよく気にするのは、
- 数字が正しいか
- 会計的に合っているか
でも、もっと重要なのは、
数字同士が、
どうつながっているか
まず描くべきは、この3つだけ
一枚に描くとき、
最初から細かくやる必要はありません。
まずは、この3つ。
- 売上は、何で生まれるか
- コストは、どこで発生するか
- 利益は、どこで削られているか
売上は「商品」ではなく「仕組み」で見る
多くの社長がやりがちなのが、
「この商品がいくら売れた」
という見方。
一枚で描くときは、
こう考えます。
- 誰から
- どのタイミングで
- 何がきっかけで
お金が入るのか。
コストは「経費」ではなく「動き」で見る
コストも同じです。
- 人件費
- 外注費
- 広告費
という項目ではなく、
どの売上に、
どのコストが紐づいているか
ここで多くの社長が気づくこと
- 意外と関係ないコスト
- 売上に貢献していない支出
- 惰性で続いている固定費
が、浮かび上がります。
利益は「最後」ではなく「途中」で確認する
利益を、
- 決算で確認
- 月末に確認
していると、
手遅れになりがちです。
一枚で描くと、
- この売上ライン
- このコスト構造
なら、
ここで既に赤字
という地点が見えます。
「一枚」で描く最大のメリット
それは、
迷ったとき、戻る場所ができる
ということです。
- 値下げするか?
- 採用するか?
- 新商品を出すか?
すべて、
「この一枚に、
どう影響するか?」
で判断できます。
管理会計は、複雑にしない方がうまくいく
ここで大事なことを一つ。
この一枚は、
- 完璧である必要はない
- 正確である必要もない
使えることが一番大事です。
社長の仕事は「描き続けること」
一回描いて終わりではありません。
- 売り方が変わった
- 人が増えた
- 市場が変わった
そのたびに、
描き直す
描けない会社は、改善できない
逆に言えば、
- 描けない
- 説明できない
会社は、
改善も、判断もできない
ということです。
数字は、社長の思考を軽くする
一枚で描けるようになると、
- 数字が怖くなくなる
- 会計が武器になる
- 感覚と数字が一致する
こうなります。
もし今、
「うちは説明できないな…」
と思ったなら、
それは危機ではなくチャンスです。
一枚、描いてみましょう。
そこから、すべてが始まります。
今日の一言
利益が見えないのは、
数字が足りないからではない。
流れが描けていないだけだ。
