
――管理会計が、社長を自由にする・第1回――
「数字が分かるようになっただけ」で、なぜ人生が変わるのか
「数字に強くなりたい」
そう口にする社長は多いですが、
その裏にある本音は、実は数字そのものではありません。
- 毎月の資金繰りに怯えたくない
- 判断に自信を持ちたい
- 会社の将来を、ちゃんと自分の手で握りたい
つまり社長が欲しいのは、
数字の知識ではなく、経営の自由です。
そして実は、
管理会計に取り組み始めた社長たちには、
驚くほど共通した「変化」が起きています。
それは──
忙しさが減り、不安が減り、判断が軽くなる
という変化です。
数字に強くなった社長が、最初に感じる違和感
管理会計に触れ始めた社長が、最初に口にする言葉があります。
「あれ? 思っていたより、数字って怖くないですね」
これは、ほぼ例外なく起こります。
なぜなら多くの社長は、
「数字そのもの」ではなく
数字が分からない状態に怯えていたからです。
- 何を見ればいいのか分からない
- 聞いても理解できない気がする
- 分からない自分を責めてしまう
この状態から抜け出した瞬間、
数字は“敵”ではなくなります。
共通変化①:社長が「全部見なくていい」と知った瞬間
数字に強くなった社長ほど、
実は見ている数字は少ないです。
以前の状態は、こうです。
- 決算書は一応もらう
- でも全部は見ない
- 何が重要か分からない
一方、管理会計を理解し始めた社長は、
- 自分が判断に使う数字
- 見ない数字
を、はっきり分けます。
そして、こう言うようになります。
「全部分かろうとしなくてよかったんですね」
この瞬間、
数字に振り回される経営が終わります。
ケース①:数字を追いかけるのをやめたら、判断が速くなった社長
ある小売業の社長は、以前こう言っていました。
「数字を見るほど、逆に迷うんです」
管理会計を導入し、
- 売上
- 粗利
- キャッシュ
この3つだけを毎月見るようにした結果、
「不思議なんですが、即断できるようになりました」
と変化しました。
情報を減らしたことで、
判断のスピードが上がった典型例です。
共通変化②:「忙しいのに不安」という感覚が消えていく
数字に弱い社長ほど、
- 忙しい
- でも安心できない
- 何か見落としている気がする
という状態に陥ります。
管理会計に触れた社長は、
この感覚が少しずつ消えていきます。
理由は明確です。
数字で
「大丈夫な理由」
「危ない理由」
が説明できるようになるから
根拠のない不安は、
根拠のある数字の前で消えていきます。
共通変化③:「感覚経営」が、悪者ではなくなる
意外に思われるかもしれませんが、
数字に強くなった社長ほど、こう言います。
「やっぱり感覚も大事ですね」
これは後退ではありません。
むしろ進化です。
管理会計を理解すると、
- 感覚
- 数字
を対立させなくなるのです。
感覚で違和感を持ち、
数字で確かめ、
また次の判断に活かす。
この循環が回り始めた瞬間、
経営は一気に安定します。
ケース②:「なんとなく不安」が消えた製造業社長
ある製造業の社長は、以前こう話していました。
「売上はあるのに、ずっと不安でした」
管理会計で、
- 利益が出る構造
- キャッシュが減る理由
を整理した結果、
「不安の正体が分かっただけで、かなり楽になりました」
不安がゼロになったわけではありません。
しかし、
理由の分かる不安に変わったのです。
これは、社長にとって大きな自由です。
共通変化④:他人の意見に振り回されなくなる
数字に弱い社長ほど、
- 銀行の一言
- 税理士の助言
- 周囲の成功事例
に心が揺れます。
一方、管理会計が身についた社長は、
「それは、うちの数字だとどうなんだろう?」
と、一度立ち止まります。
これは反抗ではありません。
主体性です。
自社の数字を基準に考えられるようになった瞬間、
経営の主導権が社長に戻ります。
共通変化⑤:社長が「社長の仕事」に戻っていく
管理会計が社長を自由にする最大の理由。
それは、
社長が
現場の数字処理から解放され
判断に集中できるようになる
からです。
- 現場を回し
- 火消しをし
- 不安を抱え
続ける社長から、
- 判断し
- 優先順位を決め
- 未来を見る社長へ
このシフトが起きます。
数字が分かるようになったからではありません。
数字を“使える道具”にしたからです。
管理会計が、社長を縛るという誤解
ここで一つ、誤解を解いておきましょう。
管理会計は、
- 管理されるためのもの
- 縛られる仕組み
ではありません。
むしろ逆です。
管理会計は
社長を
「感覚だけの経営」から
解放するための道具
数字が分からない状態こそ、
社長を縛っています。
自由になった社長が、最後に手に入れるもの
数字に強くなった社長が、
最後に口にする共通の言葉があります。
「前より、経営が楽しいです」
これは、
売上が伸びたからでも
忙しさがゼロになったからでもありません。
- 自分で判断できる
- 未来を描ける
- 数字で説明できる
この状態が、
経営者としての自由なのです。
今日の一言
管理会計は、社長を縛る数字ではない。
社長を“判断できる立場”に戻してくれる、自由の道具である。
