
――数字で話す社長は、信用される・第4回――
「いいこと言ってるのに、なぜか響かない社長」
こんな社長、周りにいませんか?
・理念は立派
・ビジョンも語れる
・想いも本物
でも、不思議と――
人が動かない。
一方で、
・話し方は淡々
・言葉はシンプル
・感情論は少なめ
なのに、
なぜか周囲が納得し、協力してくれる社長もいます。
この違いは何か。
結論から言います。
数字が、社長の言葉を支えているかどうか
です。
言葉だけの経営は、どうして弱いのか
社長の言葉は、会社の方向性を決めます。
・値上げをしたい
・投資をしたい
・人を増やしたい
・撤退を決めたい
これらはすべて、
「社長の言葉」から始まる判断です。
しかし、
言葉だけの判断には、ある弱点があります。
それは、
「根拠は?」と聞かれた瞬間に弱くなる
こと。
「なんとなくそう思うんだよね」の限界
社内会議でよくある場面。
社長
「そろそろ人を増やした方がいいと思う」
社員
「なぜですか?」
社長
「忙しそうだし、将来のために」
この瞬間、
社員の頭の中にはこう浮かびます。
「本当に必要なのかな?」
「感覚の話じゃない?」
数字が入ると、言葉は一気に強くなる
同じ場面で、こう言われたらどうでしょう。
「売上は去年より10%増えています」
「でも、1人あたりの残業時間が月20時間増えています」
「このままだと、来期は品質が落ちます」
どうでしょう。
一気に“納得感”が増す
はずです。
これが、
数字が、言葉を強くする
という意味です。
数字は「説得」ではなく「共通言語」
勘違いされがちですが、
数字を使う目的は、
・相手を言い負かすこと
・正しさを証明すること
ではありません。
数字は、
同じ景色を見るための共通言語
です。
ケーススタディ:値上げが通らない社長
ある小売業の社長の話です。
社長は、原価高騰に悩んでいました。
「もう限界だ。値上げしよう」
しかし、
社員の反応は冷ややか。
「売上が落ちるのでは?」
「お客様が離れるのでは?」
社長は言います。
「でも、このままじゃ苦しいだろ?」
それでも、
空気は変わりません。
数字を整理した後の一言
そこで社長は、
数字を整理しました。
・現在の粗利率
・原価上昇の影響
・値上げしない場合の来期利益
そして、こう言いました。
「今の価格のままだと、
来期は利益が半分になります」
「5%値上げすると、
売上が3%下がっても利益は守れます」
結果。
社員は、反対しなくなった
同じ「値上げ」という言葉でも、
数字が入った瞬間、意味が変わったのです。
社長の言葉が軽くなる瞬間
逆に、
社長の言葉が軽くなる瞬間があります。
それは、
言葉と数字が、ズレているとき
です。
例:「利益重視」と言いながら…
・安易な値引きをする
・忙しいのに単価を上げない
・儲からない仕事を断らない
社員は、
数字を見ています。
「言っていることと、やっていることが違う」
このズレは、
言葉の信用を一気に下げます。
数字は、社長の覚悟を見せる
数字を語るということは、
・現実を見る
・逃げない
・判断に責任を持つ
ということ。
だからこそ、
数字を語れる社長の言葉は、重い
のです。
銀行・税理士・社員に共通するポイント
誰に対しても共通しています。
・銀行 → 返せる根拠
・税理士 → 判断の意図
・社員 → 納得できる理由
すべて、
言葉 × 数字
で伝わります。
数字があると、言葉は「ブレなくなる」
感覚だけの経営は、
・昨日と言っていることが違う
・判断基準が見えない
こうなりがちです。
一方、
数字を軸にすると、
・判断が一貫する
・説明が楽になる
社長自身も、
迷いにくくなります。
管理会計は「社長の翻訳機」
管理会計は、
・難しい分析
・専門家の世界
ではありません。
社長の頭の中を、
言葉と数字で翻訳する道具
です。
だから、
・言葉が強くなる
・説明が通る
・信用が積み上がる
本テーマで伝えたいこと
このテーマを通して、
一貫して伝えたかったのは、
数字は、社長を縛るものではない
数字は、社長を助ける言葉である
ということです。
今日の一言
数字は、
社長の言葉に「根拠」という重さを与える。
