④確認しない会社では、仕組みは必ず壊れる


―「任せたつもり」が一番危ない理由―

「任せているのに、なぜか回らなくなる」

経営者の方から、こんな相談を受けることがあります。

  • 「ちゃんと仕組みは作ったはずなんです」
  • 「ルールも一度は共有しました」
  • 「あとは任せているんですが…」

それでも現場では、

  • 判断がズレていく
  • いつの間にかルールが形骸化している
  • トラブルが増えている

社長としては、こう思います。

ちゃんと決めたのに、なんで?

しかし多くの場合、原因はとてもシンプルです。

確認していない

今回は、「仕組みが壊れていく会社」に共通する
この“見落とされがちな落とし穴”を掘り下げていきます。

仕組みは「作った瞬間」が一番元気

まず大前提として。

どんな仕組みも、
作った直後が一番ちゃんと動きます。

  • 会議で決めた
  • ルールを説明した
  • 一度は守られた

この段階で、多くの社長はこう思います。

「よし、これで大丈夫だな」

しかし、ここからが本当のスタートです。

ケース①:最初は守られていたルール

ある会社で、値引きのルールを決めました。

  • ○%までなら現場判断OK
  • それ以上は要相談

最初の1〜2ヶ月は、
きちんと守られていました。

ところが半年後。

  • 「今回は特別で…」
  • 「前もこれくらいは大丈夫でしたよね?」

いつの間にか、
ルールは“目安”になっていました。

社長は驚きます。

そんな話、聞いてない

でも現場はこう思っています。

確認されなかった=OKなんだと思っていました

仕組みが壊れるのは、悪意ではない

ここで重要なのは、

誰もサボろうとしていない
誰もルールを壊そうとしていない

という点です。

人は、

  • 忙しい
  • 目の前の仕事を優先する
  • 少しずつ都合のいい解釈をする

生き物です。

だから、

確認されない仕組みは、必ずズレる

これは、人の性質です。

「信頼しているから確認しない」は間違い

よく聞く言葉があります。

「信頼しているから、細かく確認しない」

一見、良い社長のように聞こえます。

しかし、仕組みの運用においては、
これは危険な考え方です。

なぜなら、

  • 信頼=放置
  • 確認=疑っている

ではないからです。

確認とは「疑うこと」ではない

確認とは、

  • できているかを見る
  • 想定とズレていないかを見る
  • 仕組みが生きているかを見る

行為です。

むしろ、

確認しないことこそ、無関心

と受け取られるケースも少なくありません。

ケース②:確認がなくなった瞬間に起きた変化

ある会社では、
社長が毎月必ずチェックしていた数字がありました。

  • 粗利率
  • 受注単価

それを見て、
特に何か言うわけでもありません。

ただ、

  • 見ている
  • 把握している

という事実が伝わっていました。

ところが社長が忙しくなり、
その確認が止まりました。

すると、

  • 数字への意識が下がる
  • 判断が甘くなる
  • 以前なら止まっていた判断が通る

仕組みは、
確認されなくなった瞬間から壊れ始めたのです。

確認がないと「例外」が増える

仕組みが壊れる典型パターンがあります。

それが、

例外の積み重ね

  • 今回だけ
  • 特別だから
  • 急ぎだから

一つ一つは、
もっともらしく聞こえます。

しかし、

  • 例外を確認しない
  • 例外を戻さない

これが続くと、

例外が通常になる

のです。

仕組みが壊れる会社の共通点

これまで見てきた会社には、
共通点があります。

  • 決めた後は安心する
  • 確認は現場任せ
  • 問題が起きてから動く

つまり、

運用を設計していない

仕組みは、
作ることよりも、
保つことの方が難しい
のです。

うまく回る会社は「確認の仕組み」がある

一方、うまく回っている会社は違います。

  • 毎月見る数字が決まっている
  • チェックするタイミングが決まっている
  • ズレたら戻す

ポイントは、

社長が全部確認しない

ことです。

確認は「社長の仕事」ではない?

意外に思われるかもしれませんが、

確認は、
必ずしも社長がやる必要はありません。

大切なのは、

  • 誰が
  • 何を
  • どの頻度で

確認するのかが、
決まっていること
です。

ケース③:確認役を決めただけで回り出した会社

ある会社では、

  • 数字の確認は部長
  • 基準から外れたら社長に報告

というルールを決めました。

社長は、

  • 毎回細かく見ない
  • 例外対応だけする

これだけで、

  • 現場判断が安定
  • 社長の負担が激減
  • 仕組みが長持ち

しました。

確認しない会社の最終形

確認がない状態を放置すると、

  • ルールは形だけ
  • 判断は属人化
  • 仕組みは崩壊

そして最後に、
社長はこう言います。

結局、全部自分で見ないとダメだな

しかし実際には逆です。

確認を怠ったから、全部戻ってきた

のです。

確認とは「仕組みへの愛情」

確認は、管理でも監視でもありません。

  • 仕組みが生きているかを見る
  • 会社を守るための行為

言い換えれば、

仕組みへの愛情

です。

放っておいて育つ仕組みは、
存在しません。

次回予告:「回る会社」が最後にやっていること

次回は、

  • 確認の先に何があるのか
  • 社長の仕事がどう変わるのか

をテーマに、

「社長の仕事が“確認と例外対応だけになる状態”」

を描いていきます。

今日の一言

仕組みは、作っただけでは守ってくれない。
確認されて初めて、会社を守り続ける。

任せるために、
確認する。

これが、回り続ける会社の共通点です。


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