
――管理会計は、仕組みで回せ・第1回――
「今度こそ、数字を見るようにしよう」と決意した社長へ
月次決算が出た夜。
社長はこう思います。
「よし、これからはちゃんと数字を見るぞ」
「管理会計、ちゃんとやろう」
最初の1か月は、
ちゃんと見ます。
資料も開きます。
利益率も確認します。
でも――
・2か月後には忙しさに負け
・3か月後には見なくなり
・半年後には「税理士任せ」に逆戻り
こうなった経験、ありませんか?
もしあるなら、
それはあなたの意思が弱いからではありません。
管理会計が続かない本当の理由
はっきり言います。
管理会計が続かない理由は
「頑張り」に頼っているからです。
経営者は、
すでに頑張りすぎています。
・営業
・現場
・人の問題
・資金繰り
そこに、
「さらに数字も頑張って見ましょう」
これは、
構造的に無理なのです。
「意識改革」で続いた会社は、ほぼない
よくあるアドバイスがあります。
・社長の意識を変えましょう
・数字を見る習慣をつけましょう
・毎月必ずチェックしましょう
正論です。
でも、現実はどうでしょう。
意識だけで続くなら、
もうとっくに続いているはず
ですよね。
人は「仕組みがないこと」は続けられない
考えてみてください。
・歯磨き
・給料日
・請求書の発行
これらは、
頑張らなくても勝手に回っています。
なぜか?
仕組みになっているから
です。
管理会計も同じです。
ケーススタディ:最初はやる気満々だった社長
ある建設業の社長。
最初は本気でした。
・Excelで管理表を作成
・毎月、利益率を計算
・工事別に粗利を確認
最初の3か月は順調。
しかし、
・現場が忙しくなる
・数字入力が後回しになる
・気づけば2か月分たまる
そして、
こう言いました。
「落ち着いたら、またやります」
――戻ってきませんでした。
問題は「能力」でも「やる気」でもない
この社長は、
・数字が苦手ではない
・経営意識も高い
それでも続かなかった。
理由は一つ。
管理会計が「作業」になっていたから
作業にした瞬間、管理会計は終わる
・入力する
・計算する
・集計する
これらを
社長の手作業にすると、
必ずこうなります。
「今は忙しい」
「後でまとめてやろう」
経営において、
「後でやる」は
ほぼ「やらない」と同義です。
管理会計は「見るだけ」でいい
ここで、
大事な視点を一つ。
社長の仕事は
数字を作ることではない
社長の仕事は、
・数字を見て
・判断すること
です。
仕組み化とは「社長が楽をする設計」
管理会計を仕組みにするとは、
・入力は現場 or 会計側
・集計は自動
・社長は“見るだけ”
この状態を作ること。
ケーススタディ:仕組みに変えた会社
別の製造業の社長。
以前は、
・月末にExcelと格闘
・数字を見るのが月1回
これをやめました。
やったことは3つだけ。
- 数字は月次で自動集計
- 見る指標を3つに限定
- 毎月同じ日に5分だけ確認
結果。
管理会計が「習慣」になった
頑張っていません。
でも、続いています。
「全部見よう」とすると、必ず挫折する
管理会計が続かない会社の共通点。
最初から、見すぎる
・売上
・利益
・原価
・人件費
・部門別
・商品別
これ、
無理ゲーです。
管理会計は「3つで十分」
最初は、
・売上
・粗利
・お金(キャッシュ)
これだけでいい。
見る数字を減らすことは、
サボりではない
むしろ、
続けるための戦略です。
仕組み化のゴールは「考えなくても回る」
理想の状態はこれです。
・決まった日に
・決まった資料が出てきて
・決まった順で見る
すると、
管理会計が
経営の一部になる
管理会計は「特別な仕事」ではない
続かない会社ほど、
管理会計を
・特別
・難しい
・重たい
ものにしてしまいます。
でも、本来は、
経営の健康診断
です。
頑張らない会社だけが、数字を使える
皮肉な話ですが、
管理会計が回っている会社ほど、
社長は頑張っていない
理由は簡単。
仕組みが、代わりに働いているから
実践編で伝えたいこと
この実践編では、
・どんな仕組みを作るのか
・何を削るのか
・どこを自動化するのか
を、
具体的に扱っていきます。
管理会計は、
根性論でやるものではない
今日の一言
管理会計は、
「続けられる形」にして、
初めて意味を持つ。
