①集客がうまくいかない本当の理由


― 売り方ではなく「誰」の問題だった ―

「ホームページを作り直したのに反応がない」
「SNSを頑張っているのに問い合わせが来ない」
「広告費をかけても、全然手応えがない」

こうした相談は、業種・地域を問わず、本当によく耳にします。
そして多くの場合、社長はこう考えています。

売り方が悪いのではないか
見せ方が古いのではないか
もっと今っぽい集客手法があるのではないか

ですが、結論から言います。
集客がうまくいかない原因の大半は、「売り方」ではありません。

問題の正体は、もっと手前にあります。
それが今回のテーマである、「誰」の問題です。

集客が詰まる社長ほど「テクニック」を探しに行く

集客に悩み始めたとき、多くの社長が最初にやる行動があります。

  • SNS運用のノウハウを探す
  • 集客セミナーに参加する
  • マーケティング本を何冊も読む

どれも間違いではありません。
ただ、ある共通点があります。

「誰に向けてやるのか」を、ほぼ考えないまま始めている
という点です。

その結果、こんな状態に陥ります。

  • 投稿内容が日によってバラバラ
  • 自分では良いことを書いているつもりだが反応が薄い
  • フォロワーやアクセス数は増えたが、問い合わせは増えない

これは努力不足ではありません。
設計の順番を間違えているだけです。

「うちはこういう会社です」から始めると、ほぼ失敗する

集客の相談を受けると、最初にこう説明されることがよくあります。

うちは〇〇業をやっていて、
創業は◯年で、
強みは△△で、
他社との差別化は□□です。

一見、ちゃんと説明できているように聞こえます。
ですが、ここに大きな落とし穴があります。

それはすべて「自分視点」だということです。

お客さんは、あなたの会社を探しているわけではありません。
探しているのは、

「今、自分が困っているこの状況を、何とかしてくれる存在」

です。

会社紹介から始まる集客は、
ほぼ例外なく「誰にも刺さらない集客」になります。

人は「サービス」ではなく「困った瞬間」に反応する

ここで、一つ想像してみてください。

あなたが急にこんな状況になったとします。

  • 月末なのに、口座残高が思ったより少ない
  • 利益が出ているはずなのに、なぜかお金が残らない
  • 銀行から「今後の見通しを教えてください」と言われた

このとき、あなたが探すのは何でしょうか。

  • 「管理会計サービス」でしょうか?
  • 「経営支援会社」でしょうか?

おそらく違います。

「この状況、どう説明すればいいんだろう」
「誰かに整理してもらえないかな」

こういう感情が、先に立つはずです。

集客とは、「困りごとが発生した瞬間」をつかまえる作業です。
売りたいサービスから考えるのではありません。

「誰」を間違えると、全部がズレ始める

ここで、よくあるケースを一つ紹介します。

ケース:集客が空回りしていた工事業の社長

ある工事業の社長は、こんな集客をしていました。

  • ホームページで「高品質・迅速対応」をアピール
  • SNSでは施工事例を毎週投稿
  • 広告では「地域最安値」を打ち出す

それでも問い合わせは月に1件あるかどうか。

ヒアリングして分かったのは、
「誰」をこう設定していたことでした。

工事を検討している、すべての人

これでは、誰にも刺さりません。

そこで視点を変えました。

  • 工事を「検討している人」ではなく
  • 「急なトラブルで、判断を迫られている人」

に絞ったのです。

すると、発信内容が変わりました。

  • 「この状態なら、今すぐ工事が必要か?」
  • 「業者に聞く前に確認してほしい3つのポイント」

結果、問い合わせ数は大きく増えました。
売り方は、ほとんど変えていません。

変えたのは、「誰の、どの瞬間を見るか」だけです。

「顧客像」よりも先に考えるべきもの

ここで多くの社長が、こう思います。

ペルソナを作ればいいんですよね?

半分正解で、半分不正解です。

年齢、性別、職業、年収…。
それらは「後」で構いません。

先に考えるべきなのは、こちらです。

  • どんな出来事が起きた瞬間か
  • そのとき、どんな不安や焦りがあるか
  • なぜ、今すぐ誰かに相談したくなるのか

これを、「困りごと発生シーン」と呼びます。

このシーンが曖昧なまま集客をすると、

  • メッセージがぼやける
  • コンテンツが散らかる
  • 何を改善すればいいか分からなくなる

という状態に陥ります。

集客がうまくいっている会社は、ここが異様に具体的

集客が安定している会社には、ある共通点があります。

それは、

「うちのお客さんは、〇〇な状況で、△△に困っていて、
そのときに、□□という言葉に反応する」

という説明が、驚くほど具体的だという点です。

逆に言えば、
この説明ができないうちは、集客施策を増やしてはいけません。

SNSを増やす前に、広告を出す前に、
まずやるべきことがあります。

それが、

「集客がうまくいかない原因は、
売り方ではなく『誰』かもしれない」

と、一度立ち止まって考えることです。

今日の一言

集客は、サービスを売る活動ではない。
「困った瞬間の誰か」に気づいてもらう活動である。

次回は、
「人はいつ『相談しよう』と思うのか?」
というテーマで、もう一段深く掘り下げていきます。


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