③集客チャネルを増やす前に、必ずやるべき棚卸し


―「やっていない」のではなく、「見えていない」だけかもしれない ―

前回の記事では、
人は「分からない」からではなく、「決められない」と気づいたときに相談する
という話をしました。

今回は、そこから一歩進みます。

「相談したくなる瞬間」を想定できた社長が、
次にほぼ必ず考えるのが、こんなことです。

  • SNSを強化したほうがいいのでは
  • 広告も検討すべきかもしれない
  • そもそも、どこで発信するのが正解なんだろう

ここで多くの人が、
“集客チャネルを増やす”方向に舵を切ります。

ですが、ここで一度、立ち止まってほしいのです。

新しい集客チャネルを考える前に、
必ずやるべきことがあります。

それが、今回のテーマである
「集客接点の棚卸し」です。

集客が伸びない会社ほど、チャネルを足そうとする

集客がうまくいっていないとき、
社長の頭の中はだいたいこんな状態になります。

何か足りないはず
もっと露出しないと
今どきのやり方をやっていないからだ

この感覚自体は、自然です。
問題は、そのまま行動してしまうことにあります。

  • SNSを増やした
  • ブログも始めた
  • 動画も手を出した

結果どうなるか。

  • どれも中途半端
  • 管理できない
  • 何が効いているか分からない

これは努力不足ではありません。
全体が見えていない状態で、部品だけを足しているのです。

集客は「点」ではなく、「接点の集合体」

ここで、一つ考え方を変えてみましょう。

集客というと、多くの人は
「SNS」「ホームページ」「広告」といった
個別の施策(点)を思い浮かべます。

ですが、実際の集客はこうです。

  • どこで知り
  • どこで触れ
  • どこで判断し
  • どこで相談するか

この一連の流れの中にある“接点”の集合体です。

つまり、

集客が弱い
ではなく
接点の全体像を把握していない

というケースが、非常に多いのです。

棚卸しで見るべきは「やっている/いない」ではない

ここで「棚卸し」と聞くと、
こんなリストを思い浮かべるかもしれません。

  • ホームページ:あり
  • ブログ:あり
  • SNS:X、Instagram
  • チラシ:たまに

これは、半分正解で、半分不足です。

本当に見るべきなのは、こちらです。

  • それは、誰に向けた接点か
  • どのタイミングの人が触れるものか
  • その接点で、何を伝えているか

「ある/ない」ではなく、
「どういう役割を担っているか」を見るのが棚卸しです。

3つに分けると、集客接点は一気に見える

集客接点は、次の3つに分けると整理しやすくなります。

① 自分でコントロールできる接点

  • ホームページ
  • ブログ
  • メール
  • 自社資料

これは、情報量をしっかり載せられる接点です。
相談前の「考える材料」を提供する役割を持ちます。

② 日常的に触れる接点

  • SNS投稿
  • 日々の発信
  • 雑談レベルの情報

ここは、
思い出してもらうための接点です。

深く説明する場ではありません。

③ 他人の力を借りる接点

  • 紹介
  • 口コミ
  • 取引先からの一言
  • 第三者の評価

実は、多くの会社で
一番効いているのがここだったりします。

にもかかわらず、
ほとんど意識されていません。

ケース:集客を増やしたのに、成果が出なかった理由

あるサービス業の社長のケースです。

この方は、集客に力を入れようと決め、

  • SNSを2つ追加
  • ブログも週1更新
  • 広告も少額でスタート

かなり頑張っていました。

ですが、問い合わせは増えません。

棚卸しをして分かったのは、
すべての接点が「同じ役割」になっていたことです。

  • どこを見ても、会社紹介
  • どこを見ても、サービス説明
  • どこを見ても、「お問い合わせはこちら」

これでは、
接点が増えても、前に進めないのです。

「強い接点」は、意外とすでに持っている

棚卸しをしていると、
よく起こる発見があります。

それは、

実は、もう強い接点を持っていた

という事実です。

例えば、

  • 既存顧客からの紹介が多い
  • 過去のブログ記事がよく読まれている
  • セミナー後の雑談で相談される

これらはすべて、立派な集客接点です。

ですが、

  • 当たり前すぎて価値だと思っていない
  • 意識していないから、再現できない

という理由で、放置されています。

棚卸しの目的は、
新しいことを増やすことではありません。

「すでにあるものを、ちゃんと見ること」です。

棚卸しをすると、やらなくていいことが見えてくる

もう一つ、大きなメリットがあります。

それは、
やらなくていいことが分かるという点です。

  • 反応がないSNS
  • 管理できていない媒体
  • 役割が重複している接点

これらを整理せずに増やしていくと、
社長の負担だけが増えていきます。

集客は、
頑張る量を増やすゲームではありません。

構造を整えるゲームです。

集客構造設計の第一歩は「全体を並べる」こと

ここまでの話をまとめると、
この段階でやるべきことは、非常にシンプルです。

  • 今ある集客接点をすべて書き出す
  • 3つの分類に分ける
  • それぞれの役割を言葉にする

改善も、追加も、
そのあとで十分です。

今日の一言

集客が弱いのではない。
「今ある接点の全体像」を、まだ見ていないだけだ。

次回は、
「なぜ集客は“点”で終わるのか?」
― 導線を一本に束ねるという発想 ―

について掘り下げていきます。


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