
「最初は少し良くなったんです。でも、気づいたら元に戻っていました」
集客の相談現場で、驚くほど頻繁に聞く言葉です。
広告を見直し、SNSの投稿を増やし、HPも少し整えた。
一時的に問い合わせが増え、「お、いけるかも」と手応えを感じた。
ところが数か月後、数字はまた下がり始める。
この現象、決して珍しい話ではありません。
むしろ「改善が続かない」ことこそが、多くの会社にとっての“通常運転”になっています。
ではなぜ、集客改善は続かないのでしょうか。
今回は、ツールやノウハウの話ではなく、構造と意思決定の問題として、このテーマを掘り下げていきます。
「やっていない」のではない。「続く設計になっていない」
最初にお伝えしたいのは、
改善が続かない会社の多くは「サボっている」わけではない、ということです。
・忙しくてもSNSを更新しようとした
・広告代理店とも打ち合わせをした
・アクセス数や反応も一度は確認した
やるべきことは、ある程度やっています。
それでも続かない。
理由はシンプルで、最初から“続く前提”で設計されていないからです。
集客改善を
「一度立て直すプロジェクト」
として扱ってしまうと、必ずどこかで息切れします。
本来、集客は
業務フローの一部
経営判断の一部
であるべきものです。
ここが切り離されている限り、改善は“イベント”で終わります。
落とし穴①|改善が「気合と根性」に依存している
改善が続かない会社の最初の共通点はこれです。
改善が、特定の人のやる気に依存している
典型的なのは、こんなケースです。
- 社長が「今月は本気で集客を見るぞ」と言う
- 毎日アクセスを見て、投稿も指示する
- 多少数字が動く
- 忙しくなり、別の問題が発生する
- 集客を見る頻度が下がる
- 気づけば元通り
これは、誰が悪いわけでもありません。
人間の集中力は、そんなに長く持たないからです。
改善が続く会社は、
「頑張らなくても最低限は回る」
状態を先に作っています。
逆に言うと、
「気合を入れないと回らない集客」は、構造的に失敗が約束されています。
落とし穴②|「数字を見る」ことが目的化している
次によくあるのが、このパターンです。
- アクセス数を毎月確認している
- フォロワー数も把握している
- 問い合わせ件数も見ている
一見、ちゃんと管理しているように見えます。
でも、実際には改善につながっていません。
なぜか。
数字を見ても、次の行動が決まらないからです。
例えば、こんな状態です。
- アクセスが減った →「まあ時期的なものかな」
- 問い合わせが増えた →「良かった」で終了
- 広告費が上がった →「仕方ない」で終了
数字が「感想」で終わっている。
これでは、改善は積み上がりません。
改善が続く会社では、
数字は必ず
判断のトリガー
として使われています。
「この数字なら続行」
「この数字なら修正」
基準が決まっているから、迷わず次に進めるのです。
落とし穴③|改善のゴールが“成果”になっている
意外に思われるかもしれませんが、これも大きな落とし穴です。
改善のゴールが「成果が出ること」になっている
もちろん、成果は大事です。
しかし、成果をゴールにすると、改善は続きません。
なぜなら、成果は
外部要因に左右される
からです。
- 市場環境
- 季節要因
- 競合の動き
これらが変われば、同じ施策でも結果は変わります。
改善が続く会社は、ゴール設定が違います。
- ゴールは「検証が回り続けること」
- 成果は「その結果としてついてくるもの」
この違いは、想像以上に大きいです。
ケーススタディ|一度は伸びたが、止まった会社
ある小規模事業者の例です。
最初にやったことはシンプルでした。
- HPの導線を整理
- 問い合わせフォームを分かりやすく
- SNS投稿を週2回に増加
結果、問い合わせは約1.5倍に。
「これは成功だ」と感じました。
ところが半年後、数字は元に戻ります。
原因を振り返ると、こうでした。
- 投稿内容は「なんとなく」決めていた
- どの投稿が良かったか、記録していなかった
- 問い合わせが減っても、何を変えるか決まっていなかった
つまり、
仕組みとして改善が残っていなかったのです。
成果は出たが、学習が残らなかった。
だから次に活かせなかった。
改善が続く会社が必ず持っている「3つの視点」
ここまでの話をまとめると、
改善が続く会社には、次の3つが共通してあります。
- 人ではなく、流れで回す視点
- 数字を判断に変える視点
- 成果ではなく、検証をゴールにする視点
特別なツールや高度な分析は必要ありません。
必要なのは、考え方の置き場所を変えることです。
「続かない」の正体は、能力不足ではない
ここで強調しておきたいのは、
改善が続かないのは、
社長や担当者の能力不足ではない、という点です。
- 忙しい中で
- 不確実な情報に囲まれ
- 正解のない判断を求められる
その中で、改善を回し続けるのは簡単ではありません。
だからこそ、
人が頑張らなくても回る設計
が必要なのです。
改善が続くかどうかは、
「やる気」ではなく
「構造」で決まります。
今日の一言
集客改善が続かないのは、努力が足りないからではない。
続くように“決め方”と“回し方”が設計されていないだけだ。
