⑤そのP/L、経営判断に本当に使えていますか?


試算表を見て「ふーん」で終わっていないか

月次試算表が出てくる。
ざっと眺める。
売上と利益を確認する。
そして、そっと閉じる。

これは多くの社長が無意識にやっていることです。
でも、ここで一つ問いを投げます。

そのP/L、次の一手を決める材料になっていますか?

もし答えが「いいえ」なら、
問題は経営センスではなく、P/Lの形です。


P/Lは「正しい」だけでは意味がない

会計ソフトが出すP/Lは、
税務的には正しい。
でも、経営的に使いやすいとは限りません

なぜなら、
P/Lは「見る人の目的」によって、
構造を変えるべきものだからです。

税務用P/L
経理用P/L
そして、社長用P/L

虎の穴で扱うのは、もちろん最後のものです。


判断に使えるP/Lの基本構造

社長用P/Lは、極端に言うと、
この3ブロックに分かれていれば十分です。

  1. 粗利(どれだけ価値を生んだか)
  2. 固定費(それを維持するコスト)
  3. 営業利益(判断の結果)

この流れが、
一目で追えることが何より重要です。


ステップ①|売上を「意味のある単位」に分ける

まず最初に手を入れるのは、売上です。

業種にもよりますが、
可能であれば次のように分けます。

  • 商品別
  • サービス別
  • 顧客タイプ別

目的は一つ。

「どこで儲かっているか」が見えること

全部まとめた売上は、
社長にとって情報量が少なすぎます。


ステップ②|原価を「粗利が見える形」に寄せる

次に原価。

ここで重要なのは、
「正確さ」よりも「一貫性」です。

  • この売上には、どこまでが原価か
  • 毎月、同じルールで入っているか

これが揃うと、
粗利のブレ=経営の変化
として捉えられるようになります。


ステップ③|固定費は“性格”でまとめる

固定費を細かく並べすぎると、
社長は判断できなくなります。

おすすめは、性格でまとめること。

  • 人に関するコスト
  • 場所・設備に関するコスト
  • 売るためのコスト
  • 管理のためのコスト

これだけで、
「どこが重いか」「どこを触れるか」が見えてきます。


ステップ④|営業利益の位置を、必ず意識させる

判断に使えるP/Lでは、
営業利益がはっきり目立つ位置にあります。

なぜなら、
営業利益は「社長の采配の結果」だからです。

  • ここが黒字なら、今の方向性は概ねOK
  • 赤字なら、どこかに構造的な問題がある

感情ではなく、
構造で反省できるのが管理会計の強みです。


社長用P/Lは「考えやすさ」がすべて

よくある誤解があります。

「もっと細かくしないと、正確な判断ができない」

実際は逆です。

考えやすいP/Lほど、良い判断が生まれる

迷わず、
「だから何をするか?」
に思考が進む形。
それが、社長用P/Lです。


今日の「虎の巻」→ P/Lは読むものではなく、並べ替えるもの

判断に使えるP/Lとは、
数字が語りかけてくるように並べられたP/Lである


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