①なぜ管理会計は、今でもExcelが最強なのか


――Excelは、社長の最強の管理会計ツールである・第1回――

社長にとって「管理会計」とは何か

社長の皆さん、管理会計の役割を一言で表すと何でしょうか?

  • 「会社の数字を記録すること」
  • 「税理士向けに帳簿を整えること」

違います。管理会計の本質は、社長自身が意思決定を行うための道具です。

  • 「今月の利益は足りているか」
  • 「どの事業に投資すべきか」
  • 「コストを削減できる余地はどこか」

これらを即座に判断できる状態を作ることが、管理会計のゴールです。


なぜExcelが最強なのか?3つの理由

DXが叫ばれる現代でも、Excelが管理会計の王者であり続ける理由は大きく3つあります。


1. 柔軟性が圧倒的

Excelは自由に数字を加工・分析できるツールです。

  • 複数のデータを組み合わせて独自の指標を作れる
  • シナリオ分析や仮説検証も簡単
  • 月次・週次・日次など、任意の期間で集計可能

ケーススタディ:小売業の例

  • 商品別売上、店舗別利益、販促効果を比較したい
  • Excelなら、売上データをピボットテーブルで集計し、グラフ化して即確認可能
  • 専用のシステムでは、事前に設定された分析しかできず柔軟性に欠ける

ポイント:社長が「今知りたい数字」を即座に取り出せることが重要です。


2. 学習コストが低く、誰でも扱える

Excelはほとんどの人が触ったことがあるツールであり、特別な教育が不要です。

  • シンプルなSUMやAVERAGEから始め、徐々にIF関数やVLOOKUPで応用
  • 自社の業務や数字に合わせて自由にカスタマイズ可能

ケーススタディ:製造業の例

  • 社長が「材料費と工程別原価をすぐ比較したい」と思った
  • Excelなら、自分で簡単に表を作り、必要な計算式を組み込める
  • 専用システムを導入すると、開発や設定に数週間かかることも

ポイント:社長自身がすぐ操作できることは、意思決定のスピードに直結します。


3. コストパフォーマンスが抜群

クラウドERPやBIツールの導入には、ライセンス費用や初期設定費用がかかります。

  • 中小企業や小規模事業ではコスト負担が大きい
  • Excelはすでにオフィス環境に組み込まれており、追加費用はほぼゼロ

ケーススタディ:サービス業の例

  • 数字を集計してレポート化するためにBIツールを検討
  • 初期費用50万円+月額1万円の契約が必要
  • Excelで同じレポートを作成すれば、費用はゼロで即運用可能

ポイント:低コストで、すぐに意思決定に活かせることが、Excelの強みです。


Excelは「社長の判断を前提に作られている」

Excelの最大の強みは、社長や経営者の判断を前提に設計できる点です。

  • どの数字を重要視するか
  • どのタイミングで見たいか
  • どの切り口で分析したいか

専用システムでは、決められた画面や形式に従う必要があります。
Excelなら、自社の経営判断フローに合わせて自由にカスタマイズできます。


ケーススタディ:小規模製造業

  • 経営会議で「仕掛品の遅れが利益にどう影響するか」を即確認したい
  • Excelなら、仕掛品データと原価データを組み合わせて、5分で損益への影響を計算可能
  • 専用システムだと事前に設定が必要で、即判断できない

Excelを最大限に活かすポイント

  1. 入力ルールを統一する
    • 誰がどのデータを入力するか明確に
  2. 業務フローに沿ったシート構造を作る
    • 売上、原価、在庫、経費などをフローに合わせて整理
  3. 判断に直結する集計・グラフを作る
    • 社長が一目で判断できる形にする

ケーススタディ:小売業の改善例

  • 改善前:売上、在庫、利益がバラバラのExcelファイル
  • 改善後:
    • POSデータを自動取り込み
    • 店舗別、商品別、日次・月次で整理
    • ピボットテーブルとグラフで一目で判断可能
  • 結果:経営会議での判断スピードが大幅に向上

ExcelとDXの親和性

  • DXは「判断スピードを上げること」が目的
  • Excelは、データ取得→加工→分析→意思決定を最短でつなげられる
  • クラウド連携やマクロを使えば、Excelでも自動化・効率化が可能

ケーススタディ:サービス業

  • 予約データ、売上データ、スタッフ稼働データをExcelに集約
  • マクロで日次集計、自動グラフ化
  • 社長は朝一でレポートを確認し、即日改善策を指示

今日からExcelを最強ツールにするコツ

  1. 自社の意思決定に必要な数字を明確化
  2. 入力ルールを現場と共有
  3. 判断に直結する集計・グラフを作る
  4. 必要に応じて自動化やマクロを活用
  5. 常に「判断できるデータ」を意識

今日の一言

Excelは、社長の意思決定を最短でサポートする最強の管理会計ツール。
柔軟性、低コスト、即判断の3つの強みが、どんなシステムよりも経営に直結する。


PAGE TOP