②ワーク:自社の分岐点を言葉で説明する


「うちの分岐点、いくらですか?」と聞かれて答えられますか?

前回の記事でお伝えした通り、
損益分岐点は「数字の話」ではなく、
社長の意思決定の話です。

にもかかわらず、
いざこう聞かれるとどうでしょう。

うちの分岐点って、
だいたいいくらなんですか?

多くの社長が、

  • 正確な数字は分からない
  • 税理士なら知っているかも
  • 今はそこまで考えていない

という反応になります。

でも、今日のゴールは
数字を即答することではありません。

今日のゴールはこれです

今回のワークのゴールは、
とてもシンプルです。

自社の損益分岐点を
「言葉」で説明できるようになること

数字は、あとからついてきます。

まずは、

  • どこからが耐えるゾーンなのか
  • どこからが報われるゾーンなのか

を、
社長の言葉で語れるか
ここに集中します。

なぜ「言葉」で説明する必要があるのか

理由は一つです。

社長は、
いつも数字を見て
判断しているわけではない

からです。

現実の経営判断は、

  • 現場で
  • 移動中に
  • 雑談の中で

行われます。

そのとき頼りになるのは、

  • 難しい計算式
  • 細かい表

ではなく、

頭の中にある
“分岐点のイメージ”

です。

ケーススタディ①|数字は知っているが、説明できなかった社長

卸売業A社の社長。

損益分岐点の数字は
一応、把握していました。

たしか、月商で○千万円くらいです

しかし、

  • なぜその金額なのか
  • 何をすると上下するのか

を聞くと、
言葉に詰まってしまいました。

この状態は、

分岐点を“知っている”が
使えていない状態

です。

分岐点を「使える」社長の共通点

分岐点を使いこなしている社長は、
必ずこんな言い方をします。

  • 「この固定費を抱えている限り、ここまでは耐える」
  • 「この粗利率なら、これを超えないと意味がない」
  • 「このラインを超えたら、一気に楽になる」

数字よりも先に、
構造の言葉が出てくるのです。

ワーク①|分岐点を「感覚ゾーン」で分ける

ここから、実際のワークに入ります。

まずは数字を使いません。

問い①

売上を3つのゾーンに分けるとしたら?

  • しんどいゾーン
  • ギリギリ耐えるゾーン
  • 明らかに楽になるゾーン

この3つを、
自分の感覚で書き出してください。

ポイントは、

過去の経験を思い出すこと

です。

  • 一番苦しかった時期
  • 少し余裕が出た時期
  • 気持ちが前向きだった時期

それぞれ、
どんな状態でしたか?

ケーススタディ②|感覚を言葉にした瞬間、整理が進んだ社長

サービス業B社。

最初は、

全部、忙しかったですね…

という反応でした。

しかし丁寧に振り返ると、

  • 赤字だけど回っていた時期
  • 黒字だが余裕がなかった時期
  • 利益が残り始めた時期

が、
はっきり分かれていました。

この整理だけで、

ああ、
ここが分岐点だったんですね

と、社長自身が納得されました。

ワーク②|「何が変わると」分岐点を超えるのか

次のステップです。

問い②

分岐点を超えると、何が変わりますか?

考える切り口は、

  • お金の面
  • 気持ちの面
  • 判断の面

です。

例えば、

  • 値引きに応じなくなる
  • 無理な仕事を断れる
  • 投資を考えられる

これらはすべて、
分岐点を超えた後の変化です。

分岐点は「売上の話」だけではない

ここで、
重要な勘違いを一つ正します。

損益分岐点は、

売上だけで決まるものではありません。

  • 粗利率
  • 固定費
  • 仕事のやり方

が変われば、
分岐点は簡単に動きます。

つまり、

分岐点は、
会社の構造そのもの

なのです。

ワーク③|自社の分岐点を一文で表現する

いよいよ、
今日のメインワークです。

以下の型を使ってみてください。

うちは、
【どんな固定費構造】なので、
【どんな粗利】を前提にすると、
【このライン】を超えない限り、
利益が残らない会社である

完璧でなくて構いません。

重要なのは、

  • 自分の言葉で
  • 構造として

説明できているかどうかです。

ケーススタディ③|一文が、経営会話を変えた

製造業C社。

完成した一文は、こうでした。

うちは、
人件費が固定的にかかる構造なので、
一定量の受注を超えないと、
いくら忙しくても利益が出ない会社です

この一文ができたことで、

  • 採算の合わない短納期案件
  • 人を疲弊させる仕事

を、
はっきり断れるようになりました。

分岐点を言葉にすると、何が起きるか

分岐点を言葉で説明できるようになると、

  • 会話が噛み合う
  • 判断がブレにくい
  • 社内説明が楽になる

という変化が起きます。

なぜなら、

なぜ今は我慢なのか
なぜ今は攻めるのか

を、
感覚ではなく構造で説明できる
ようになるからです。

数字が苦手な社長ほど、このワークが効く理由

このワークでは、

  • 難しい計算
  • 会計用語
  • 複雑な表

を使っていません。

それでも、

経営の見通しが
一段クリアになる

はずです。

なぜなら、

社長に必要なのは
正確な数字より、
判断できる言葉

だからです。

次回予告|分岐点を動かす3つのレバー

次回は、

  • 分岐点を下げる
  • 分岐点を越えやすくする

ための、

社長が触れる3つのレバー

について解説します。

今日書いた一文があると、
次回の内容が一気に立体的になります。

ぜひ、
自分の言葉で
分岐点を書き切ってみてください。

今日の一言

損益分岐点は、
計算するものではなく、
語れるようになるもの。


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