③ワーク:自社用「利益管理シート」を作る


数字は見ている。でも「使って」はいない

「毎月、試算表は確認しています」
「数字は一応、頭に入っています」

そう話す社長は少なくありません。

それでも、

  • 判断に迷う
  • 決断が遅れる
  • 不安が消えない

という状態が続いているとしたら、
それは数字の見方ではなく、

数字の“置き場所”が決まっていない

可能性が高いです。

数字は、
見ているだけでは意味を持ちません。

判断に直結する形で
並べ直されているか

ここが、
「管理できる社長」と
「眺めているだけの社長」の
決定的な分かれ目です。

利益管理シートとは「社長の頭の中」を紙に出すこと

今回作る
「利益管理シート」は、

  • 会計ソフト
  • 試算表
  • 管理会計資料

とは、まったく別物です。

目的は一つ。

社長が考えている順番で、
数字を並べ直すこと

です。

つまり、

利益管理シート =
社長の意思決定プロセスの見える化

と考えてください。

なぜ“自社用”でなければ意味がないのか

世の中には、

  • 立派な管理表
  • 高機能なダッシュボード
  • テンプレート資料

が、たくさんあります。

それでも続かない理由は、
とてもシンプルです。

社長の判断の癖に
合っていない

からです。

  • 見たい順番が違う
  • 気になるポイントが違う
  • 判断基準が違う

だから今回のワークでは、

正解のフォーマット
を作りません。

作るのは、
あなた専用の1枚です。

このシートで「やらないこと」を先に決める

まず、大事な前提から。

この利益管理シートでは、

  • 細かい科目管理
  • 原因分析の深掘り
  • 完璧な数字

は、やりません。

このシートの役割は、

今月、どう判断するかを
10分で決めること

です。

だから、

  • 細かすぎる数字
  • 後から分かる数字

は、
最初から載せません。

シート全体像|たった3ブロックで十分

完成形は、
とてもシンプルです。

紙1枚、または
Excel1シートに
次の3ブロックを並べます。

ブロック①|今月の「原資」

最初に置くのは、
今月の粗利です。

ここには、

  • 売上
  • 原価

を細かく書く必要はありません。

今月、使えるお金はいくらか

これが一目で分かれば十分です。

書き方の例:

  • 今月の粗利:○○円
  • 先月比:+/-

これだけで構いません。

ケース①|粗利を先頭に置いただけで変わった社長

ある社長は、
ずっと売上を一番上に置いていました。

それを、

一番上を「粗利」に変えた

だけで、

  • 値引き判断
  • 外注判断
  • 仕事の受け方

が、
驚くほど安定しました。

理由は簡単です。

「残るかどうか」が
最初に目に入るから

です。

ブロック②|毎月の「覚悟」

次に置くのは、
固定費です。

ここも、
細かく分ける必要はありません。

重要なのは、

毎月、必ず出ていく合計

です。

書き方の例:

  • 毎月の固定費合計:○○円
  • 主な内訳:人件費/家賃/その他

これで十分です。

固定費は「管理」より「腹落ち」が先

固定費を見ると、

  • 下げなきゃ
  • 無駄じゃないか

と考えがちですが、
ここでは考えません。

まずは、

これだけの金額を
毎月背負っている

と、
社長自身が納得すること。

これができて初めて、
判断が安定します。

ブロック③|分岐点との「距離」

最後に置くのが、
分岐点との距離です。

ここも、
精密な計算は不要です。

  • 今月は超えている
  • ほぼトントン
  • まだ足りない

この3段階で十分です。

書き方の例:

  • 分岐点との差:+○○/-○○
  • 判定:超えている/未達

この順番に並べる理由

並び順には、
はっきりした意図があります。

  1. 使える原資(粗利)
  2. 背負っている重さ(固定費)
  3. 今の位置(分岐点)

この順番は、

社長が頭の中で
無意識にやっている判断

そのものです。

これを紙の上に出すことで、

  • 判断が速くなる
  • ブレにくくなる
  • 説明がしやすくなる

という効果が出ます。

ワーク①|まずは「空のシート」を作る

ここで、
実際に手を動かしてください。

ノートでも、
Excelでも構いません。

1枚に、
次の3つの枠を書きます。

  • 今月の粗利
  • 毎月の固定費
  • 分岐点との距離

中身は、
まだ書かなくて大丈夫です。

ワーク②|数字は「ざっくり」で埋める

次に、
分かる範囲で数字を入れます。

  • 正確でなくていい
  • 多少ズレていてもいい

重要なのは、

今の判断に使えるか

です。

この段階で、

「ちゃんとした数字を出さなきゃ」
と思ったら、
それはやり過ぎです。

ケース②|完璧を目指して止まっていた社長

ある社長は、

「数字が揃ってから作ります」

と言って、
ずっと進みませんでした。

一度、

「7割の精度でいいから書きましょう」

と促すと、
その日のうちに完成。

結果、

  • 毎月10分で確認
  • 判断が早くなる
  • 不安が減る

という変化が起きました。

ワーク③|このシートで「何を決めるか」を書く

最後に、
とても大事な仕上げです。

シートの下に、
こう書いてください。

このシートを見て、
毎月決めること:

例えば、

  • 値引きするか
  • 人を増やすか
  • 投資を止めるか

ここが書けていないと、
シートは
「眺めるだけ」で終わります。

利益管理シートが機能し始める瞬間

このシートが
本当に効き始めるのは、

誰かに説明するとき

です。

  • 銀行
  • 幹部
  • パートナー

に、

「今の会社の状態」を
この1枚で説明できるようになります。

それはつまり、

社長自身が
会社を構造で理解している

ということです。

数字に振り回されなくなる理由

このシートを使い始めると、

  • 一喜一憂が減る
  • 月末の不安が減る
  • 判断に自信が持てる

ようになります。

なぜなら、

見る数字が
変わらないから

です。

毎月、
同じ順番で、
同じ数字を見る。

それだけで、
経営は驚くほど安定します。

次回予告|「管理できる社長」の最終形

次回はいよいよ最終回。

このシートを使って、
どうやって
“決め続ける社長”になるのか

を整理します。

利益管理は、
作って終わりではありません。

使い続けてこそ、
武器になる

その仕上げをお伝えします。

今日の一言

利益は、計算するものではない。
置き場所を決めて、毎月向き合うもの。


PAGE TOP