
利益を増やしたい。でも、正直どこから手を付ければいいのか分からない
「売上をもっと伸ばさないとですよね」
「コストも下げなきゃとは思っているんですが…」
多くの社長が、
“利益を増やしたい”という思いは強く持っています。
けれど同時に、
こんな感覚もないでしょうか。
- やることが多すぎる
- どれも中途半端になっている
- 結局、何を変えれば利益が出るのか分からない
実はこれ、
社長の能力や努力の問題ではありません。
原因はもっとシンプルです。
利益は「全部同時には」変えられない
この事実を、
ちゃんと整理して教わる機会が
ほとんどないだけなのです。
利益は、無限にいじれるものではない
会計の教科書を開くと、
利益はこんな式で表されます。
利益 = 売上 − 費用
一見、とても単純です。
だからこそ、
「売上も上げて、コストも下げて、効率も良くして…」
と、全部を一気に変えようとしてしまいます。
でも現実の経営は、
そんなに都合よくはいきません。
- 売上を上げようとすると、忙しくなる
- コストを下げると、現場が回らなくなる
- 効率を求めると、品質が落ちる
すべては、
トレードオフの関係にあります。
だからこそ社長には、
「選ぶ力」が必要になります。
「管理できる社長」と「振り回される社長」の違い
ここで、
利益が出ている会社と、
なかなか安定しない会社の違いを見てみましょう。
違いは、
売上規模でも、業種でもありません。
違いは、たった一つ。
利益を“どこで動かしているか”を
社長自身が分かっているかどうか
です。
管理できる社長は、こう言います。
- 「うちは、ここを動かせば利益が変わる」
- 「今期は、この部分に集中する」
一方で、振り回される社長は、
- 「全体的に頑張るしかない」
- 「いろいろ改善しているんですけどね…」
という言葉になりがちです。
この差を生むのが、
利益レバーという考え方です。
利益レバーとは、「社長が触れるつまみ」のこと
ここからが、
今回の本題です。
利益レバーとは何か。
それは、
社長が意図的に動かすことで、
利益に大きな影響を与えられるポイント
のことです。
逆に言えば、
- 現場任せにしているもの
- 日々のオペレーションに埋もれているもの
は、
社長の利益レバーではありません。
社長が選ぶべき利益レバーは、
たった3つしかありません。
利益レバー①|粗利率をどう設計するか
最初のレバーは、
粗利率です。
粗利率は、
- 値決め
- 原価構造
- 仕事の受け方
によって決まります。
なぜ粗利率が最優先なのか
理由はシンプルです。
粗利は、
固定費を支払う“原資”だから
です。
どれだけ売上があっても、
粗利が薄ければ、
- 人件費を払う
- 家賃を払う
- 投資をする
余力が残りません。
ケース|売上は伸びたのに、苦しくなった会社
ある会社は、
売上拡大を最優先にしました。
値引きにも応じ、
仕事は増えました。
しかし結果は、
- 売上は1.5倍
- 利益はほぼ変わらず
- 社長は疲弊
原因は明確でした。
粗利率が下がっていた
のです。
粗利率は、
社長が「どの仕事を取るか」を決める
重要なレバーです。
利益レバー②|固定費をどこまで背負うか
2つ目のレバーは、
固定費です。
固定費とは、
- 売上がゼロでもかかる費用
- 毎月、必ず出ていくお金
のこと。
代表例は、
- 人件費
- 家賃
- リース料
です。
固定費は「覚悟」の数字
固定費を増やすということは、
この分は、
毎月必ず稼ぎ切る
という覚悟を決めることです。
問題なのは、
- 何となく増えている
- 気づいたら膨らんでいる
という状態。
これは、
社長が選んでいない固定費です。
ケース|固定費を見直しただけで、利益が出た会社
あるサービス業では、
- 売上は横ばい
- 利益が出ない
状態が続いていました。
詳しく見ると、
- 使っていない事務所
- 効果の薄い月額サービス
が固定費として残っていました。
これを整理しただけで、
分岐点が下がり、
同じ売上でも利益が出る構造
に変わりました。
利益レバー③|どれだけの量を売る構造か
3つ目のレバーは、
売上量(数量・件数)です。
ここで重要なのは、
売上“金額”ではなく、
売る“量”で考えること
です。
- 何件売ればいいのか
- 何人のお客さんが必要か
- どれくらいの稼働が限界か
これを把握している社長は、
判断が早くなります。
ケース|「あと何件か分からない」が招く迷い
利益が出ない会社ほど、
- 「もう少し売上が欲しい」
- 「もう一段、頑張らないと」
という表現を使います。
一方、管理できている社長は、
あと○件で分岐点を超える
と、量で語ります。
これは、
利益を“管理できている”状態です。
なぜ、3つ同時に触ってはいけないのか
ここで、
とても大事な話をします。
この3つのレバーを、
同時に全部動かそうとしてはいけません
理由は簡単です。
- 原因が分からなくなる
- 現場が混乱する
- 判断基準がブレる
からです。
社長がやるべきことは、
今期は、
どのレバーを主に触るのかを決めること
です。
ワーク|今の自社で、最も効くレバーはどれか?
ここで、
簡単なワークをしてみてください。
次の問いに、
直感で答えてみてください。
- 値上げ・仕事の選別で改善できそうか?
- 固定費を見直す余地はあるか?
- 数量を増やす余白はあるか?
「全部」と思った方も、
一番効きそうなものを一つ
選んでください。
それが、
今のあなたの会社にとっての
主レバーです。
利益を「管理する」とは、選び続けること
利益管理というと、
- 数字を細かく見る
- 管理表を作る
ことだと思われがちです。
でも本質は違います。
利益を管理するとは、
触るレバーを決め、
触らないものを決めること
です。
全部を変えようとしない。
今、最も効く一つに集中する。
それができたとき、
社長は初めて
「利益を管理している」状態になります。
次回予告|3つのレバーをどう使い分けるか
次回は、
- 成長期
- 停滞期
- 苦しい時期
それぞれで、
どの利益レバーを選ぶべきか
を、具体例で解説します。
今日選んだ
“主レバー”を頭に置いたまま
読み進めてみてください。
今日の一言
利益は、頑張りの総量では決まらない。
社長が「どのレバーを引くか」で決まる。
