④利益構造が見えた会社から、次に起きる変化


「数字が分かった」だけでは、まだ半分

前回までで、

  • 利益構造を整理し
  • 見る数字を絞り
  • 自社用の利益管理シートを作る

ところまで来ました。

ここで多くの社長が、
こう感じます。

「なるほど、うちの会社は
こういう構造だったのか」

これは、とても大きな一歩です。

ただし、
本当に重要なのはその先。

利益構造が“見えた”会社に、
その後、何が起きるのか

今回はそこを、
実例ベースでお話しします。

変化①|社長の「迷い」が減る

最初に起きる変化は、
とても地味ですが、
圧倒的に効きます。

それは、

社長が迷う時間が減る

という変化です。

以前の状態|判断は毎回「感覚勝負」

利益構造が見えていない頃は、

  • 売上が上がった/下がった
  • 忙しい/暇
  • 周りの会社の動き

こうした情報に、
判断が引っ張られがちです。

結果、

  • 今やるべきか
  • もう少し待つべきか

を、
毎回悩むことになります。

利益構造が見えると、判断軸が固定される

一方、利益構造が見えると、
社長の頭の中に
一本の軸が通ります。

それは、

「この判断は、
利益構造を壊さないか?」

という問いです。

  • 売上が増えても
  • 周りが動いていても

この軸に照らして考えるだけ。

迷いが消える理由は、
ここにあります。

ケース①|「忙しいのに苦しい」から抜けた会社

ある会社は、

  • 仕事は増えている
  • 社員も忙しい

それでも、
利益が残らない状態でした。

利益構造を整理すると、

粗利率の低い仕事ほど
忙しさを生んでいる

ことが一目で分かりました。

それ以降、

  • 受ける仕事
  • 断る仕事

の判断が、
驚くほど早くなりました。

変化②|「売上至上主義」から卒業できる

次に起きるのが、
社長の意識の変化です。

売上を追っていた頃の思考

利益構造が見えていないと、
どうしても、

売上を増やせば何とかなる

という思考に寄ります。

その結果、

  • 値引き
  • 無理な受注
  • 人を増やす

といった判断を、
勢いでしてしまいます。

利益構造が見えると、見る数字が変わる

利益構造が見えると、
社長が最初に見る数字は、

  • 売上
    ではなく
  • 粗利と固定費

になります。

すると自然に、

「その売上は、
本当に意味があるか?」

と考えるようになります。

これは、
売上を軽視するという話ではありません。

売上を
“利益の材料”として
見られるようになる

という変化です。

ケース②|売上が下がったのに、楽になった社長

ある社長は、

  • あえて売上を減らす
  • 粗利率の低い仕事をやめる

という決断をしました。

結果、

  • 売上は一時的に減少
  • しかし、利益率は改善

それ以上に大きかったのは、

社長の精神的な余裕

でした。

「売上が下がったのに、
前より安心して眠れる」

これは、
利益構造が見えた会社で
よく聞く言葉です。

変化③|人に「任せられる」ようになる

利益構造が見えると、
次に起きるのが
組織面の変化です。

任せられなかった理由は「不安」

社長が現場を手放せない理由は、
能力不足ではありません。

多くの場合、

「判断基準を
自分しか持っていない」

ことが原因です。

利益構造は、共通言語になる

利益構造が整理されると、

  • どこで儲かっているか
  • 何をすると危ないか

を、
言葉と数字で説明できます。

すると、

  • 現場判断
  • 見積判断
  • 優先順位

を、
任せられるようになります。

ケース③|「全部自分」から抜け出した社長

ある社長は、

「結局、最後は自分が見ないと不安」

という状態でした。

利益構造を共有したことで、

  • 判断基準を数値で共有
  • OK/NGのラインを明確化

結果、

「報告の質」が
劇的に変わった

と言います。

変化④|投資判断が冷静になる

利益構造が見えると、
投資に対する姿勢も変わります。

以前は「期待」で決めていた

  • うまくいきそう
  • 流行っている
  • 勧められた

こうした理由で、
投資を決めていませんでしたか?

これからは「構造」で見る

利益構造が見えると、

この投資は、
どこに影響するか?

を、
分解して考えられます。

  • 粗利が上がるのか
  • 固定費が増えるのか
  • 分岐点はどう動くのか

感情ではなく、
構造で判断できるようになります。

変化⑤|銀行・外部との会話が変わる

最後に触れておきたいのが、
対外的な変化です。

説明できる社長は、信頼される

利益構造が見えると、

  • なぜ今こうなのか
  • これからどうするのか

を、
1枚の構造図で説明できます。

銀行や取引先が
評価するのは、

完璧な数字
ではなく
理解しているかどうか

です。

利益構造が見えた会社の共通点

ここまでの変化をまとめると、
利益構造が見えた会社には
共通点があります。

  • 判断が早い
  • 一貫性がある
  • ブレにくい

これは特別な才能ではありません。

見る数字と
並べ方が変わっただけ

です。

利益管理は「仕組み」ではなく「姿勢」

最後に、
とても大事なことをお伝えします。

利益構造設計は、

  • テクニック
  • 管理手法

ではありません。

社長が、
会社とどう向き合うか

という姿勢そのものです。

シリーズを通して伝えたかったこと

このシリーズで
一貫してお伝えしてきたのは、

利益は、
頑張った結果ではなく
設計の結果

という考え方です。

そして、

管理できる社長とは、
数字に強い社長ではなく
数字と対話できる社長

です。

今日の一言

利益構造が見えると、
社長の判断は驚くほど静かで、
強くなる。


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