
――管理会計は、仕組みで回せ・第3回――
管理会計が続かない会社に、共通している一言
管理会計の相談を受けていると、
ほぼ必ず出てくる言葉があります。
「忙しくて、そこまで手が回らないんですよね」
この一言。
でも、ここで一つ、
かなり厳しい現実をお伝えします。
管理会計が回っていない会社ほど、
だいたい“忙しすぎる”
これは偶然ではありません。
管理会計は「余裕ができたらやるもの」ではない
多くの社長が、
こんな順番で考えています。
- 今は忙しい
- 余裕ができたら管理会計をやろう
- でも余裕ができない
- 管理会計が後回しになる
結果どうなるか。
ずっと忙しいまま
管理会計は、
忙しさを減らすための道具です。
忙しいからできない、ではなく
やらないから忙しい。
ここをひっくり返さない限り、
何も変わりません。
続かない原因は「意思」ではなく「設計」
最初に、はっきりさせましょう。
管理会計が続かない理由は、
・意識が低いから
・根性が足りないから
ではありません。
仕組みとして、続かない設計になっている
これが真因です。
「理想の管理会計」を一度、捨てよう
多くの社長が、
無意識にこう考えています。
・ちゃんとした数字を
・きれいな資料で
・毎月完璧に
その結果、
スタートできない
続かない
挫折する
管理会計は、
60点でいいんです。
忙しい社長向け・管理会計の大原則
まず、ルーティン設計の前に、
3つの原則を押さえます。
原則① 社長は「作らない」
社長がやるのは、
・見る
・考える
・決める
これだけ。
数字を作り始めた瞬間、
管理会計は止まります。
原則② 毎月、同じ動きしかしない
「今月は時間があるから、ここまでやろう」
これが最大の敵。
管理会計は、
思考を使わない“習慣”にする
原則③ 時間は最初に決める
・時間があったらやる
ではなく
・この時間で終わらせる
これが鉄則です。
管理会計ルーティンは「3ステップ」でいい
忙しい社長向けに、
超シンプルな型を紹介します。
ステップ① 数字が揃う日を「固定」する
まずやるべきは、これです。
「数字が揃う日」を決める
・毎月10日
・毎月15日
この日付を、
絶対ルールにします。
ケーススタディ:数字が出る日が決まっていない会社
ある会社では、
・月によって10日
・月によって20日
・遅いと月末
当然、こうなります。
「今月はまだいいか」
結果、
管理会計は“やったり、やらなかったり”。
ステップ② 見る数字は「いつもの3つ」
第2回でお話しした通り、
見るのはこれだけ。
・売上
・粗利
・キャッシュ
毎月、
同じ順番、同じ形式で。
考えないことが大事です。
ステップ③ 社長の仕事は「3つの問い」だけ
数字を見たら、
この3つを自分に問います。
- 想定どおりか?
- ズレているなら、どこか?
- 来月、何を変えるか?
これ以上、
深く考えなくていい。
管理会計は「会議」ではなく「儀式」
ここが大事な考え方です。
管理会計は、
毎月行う“儀式”
感情を持ち込まない。
・良くても
・悪くても
淡々と、
同じ流れを繰り返す。
30分もいらない。10分でいい
理想の所要時間は、
・数字確認:3分
・考える:5分
・決める:2分
合計10分。
これ以上かかるなら、
設計が間違っています。
ケーススタディ:社長が1人で回す管理会計
社員5名の会社。
社長は、
・毎月15日
・朝イチ10分
これだけ。
やることは、
・数字を見る
・メモを1行書く
「来月は〇〇を優先」
これを1年続けた結果、
判断が早くなり
無駄な打ち手が減り
忙しさが減った
「完璧な数字」は、後からでいい
最初から、
・部門別
・商品別
・詳細分析
は不要です。
まずは、
回ること
これが最優先。
管理会計は「仕組み」が9割
ここまでをまとめると、
・作らない
・迷わない
・考えすぎない
これが、
忙しい社長の管理会計です。
社長がやるべきは「続ける決断」だけ
管理会計で、
社長が本当にやるべきことは一つ。
「毎月、やる」と決めること
数字の精度は、
後からいくらでも上げられます。
管理会計が回り出すと、何が変わるのか
・判断が早くなる
・不安が減る
・感覚と数字がつながる
そして何より、
「忙しさ」が
少しずつ減っていく
今日の一言
管理会計は、
賢い社長の仕事ではない。
続けた社長の武器になる。
