⑥改善テーマを1つだけ決める方法


― 改善施策は、一つずつ順次行うほうがうまくいく ―

「やることが多すぎて、何から手を付ければいいか分からない」

集客について相談を受けると、ほぼ必ずと言っていいほど出てくるのが、この言葉です。

  • SNSも更新した方がいい気がする
  • ホームページも直した方がいい
  • チラシも効果が落ちている
  • 紹介が増えないのも気になる

どれも正しい。
どれも「やった方が良さそう」。

でも、結果として何が起きているかというと、
全部を少しずつ気にして、結局どれも変わらない、という状態です。

今回のテーマは、ここから一歩抜け出すための話です。
「改善テーマを1つだけ決める」。
これだけで、集客の景色は驚くほど変わります。

改善が進まない最大の原因は「全部気になる病」

多くの社長は真面目です。
だから、数字を見れば見るほど、気になる点が増えます。

  • アクセス数が少ない
  • 問い合わせ率も高くない
  • 成約率も完璧ではない

すると、頭の中ではこうなります。
「全部ダメな気がする…」

でも、冷静に考えてみてください。
全部が同時にダメで、全部を同時に直さなければならない集客構造なんて、
実はほとんど存在しません。

改善が進まない本当の原因は、
「やる気がない」でも
「能力が足りない」でもなく、

改善テーマを絞っていないこと
これに尽きます。

集客改善は「ボトルネック探し」のゲーム

集客構造は、よく「流れ」で表現されます。

  • 見られる
  • 興味を持たれる
  • 相談される
  • 申込みされる

この流れの中で、一番詰まっている場所
そこが、今やるべき改善テーマです。

ここで大事なのは、
「一番気になるところ」ではなく
「一番詰まっているところ」を見ること。

感情ではなく、構造で判断します。

事例:全部直そうとして失敗した社長

あるサービス業の社長の話です。

この方は、毎月こんなことをしていました。

  • SNSの投稿内容を毎週変える
  • ホームページの文章を少しずつ直す
  • チラシのデザインを微修正する

でも、問い合わせ数はほぼ横ばい。
「何が悪いんでしょうか?」と相談を受けました。

一緒に構造を整理すると、
実はアクセス数は十分にある
でも、問い合わせ率が極端に低い

原因は明確でした。
「相談する理由」が言葉になっていなかったのです。

この場合、改善テーマは1つだけ。
“相談したくなる状態を言語化する”

SNSもチラシも一旦ストップ。
そこだけに集中しました。

結果、2か月後には問い合わせ数が約1.8倍に。
やったことは「1つだけ」です。

改善テーマは「数字×構造」で決める

では、どうやって「1つ」を決めるのか。
ポイントはとてもシンプルです。

ステップ① 数字を3つだけ見る

前回お話しした、最低限の3つです。

  • 接触数(見られているか)
  • 相談率(行動しているか)
  • 成約率(決まっているか)

この3つを、ざっくりで構いません。

ステップ② 一番“落差”が大きいところを見る

例えば、こうです。

  • 見られている:そこそこ
  • 相談率:かなり低い
  • 成約率:悪くない

この場合、改善テーマは明確です。
「相談率」一択

逆に、

  • 見られていない
  • 相談率:高め
  • 成約率:普通

なら、テーマは「見られる仕組み」。

一番低い数字ではなく、一番“詰まりの原因になっている数字”を見るのがコツです。

「全部ちょっとずつ」は、実は一番遠回り

ここで、多くの社長が不安になります。
「他のところは放っておいて大丈夫ですか?」

答えは、
大丈夫です。むしろその方がいい

集客改善は、積み木と同じです。
一番下が詰まっているのに、上だけ直しても崩れます。

1つ改善すると、
次に詰まる場所が自然と見えてきます。

だから、

  • 今月はここ
  • 次はここ

と、順番に直す方が圧倒的に早いのです。

改善テーマは「行動に落ちる言葉」で決める

もう一つ大切なポイントがあります。
改善テーマは、必ず行動に変換できる言葉にすること

❌ 悪い例

  • 集客を強化する
  • 発信を頑張る

⭕ 良い例

  • 問い合わせ前に読む1ページを作る
  • 相談事例を3つ言語化する

「やることが1文で説明できるか?」
これが判断基準です。

迷ったら、この質問を自分に投げてみる

もし、それでも迷ったら、
この質問を使ってください。

今月、1つだけ数字を動かせるとしたら、どこを動かしたいか?

全部ではありません。
1つだけです。

この問いに答えられた瞬間、
改善テーマはほぼ決まっています。

社長の仕事は「選ばないこと」ではなく「捨てること」

集客改善において、社長がやるべきことは、
「全部を管理する」ことではありません。

  • 今はやらないことを決める
  • 今は見ない数字を決める

これができると、驚くほど楽になります。

改善テーマを1つに絞ることは、
手を抜くことではなく、
構造的に正しい判断です。

今日の一言

集客が動かない理由は、やることが足りないからではない。
“1つに決めていない”だけだ。


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