⑦社長のための“管理会計ダッシュボード”


― 見る数字を決めると、経営は軽くなる ―

数字が増えるほど、経営は重くなる

管理会計に興味を持ち始めると、
多くの社長が同じ罠にハマります。

  • 数字をたくさん見ようとする
  • 資料を増やそうとする
  • 毎月、全部を理解しようとする

結果どうなるか。

数字に追われ、疲れる

ここで一つ、
はっきり言います。

社長は、全部の数字を見る必要はありません

むしろ、
見ない数字を決めることが、
経営を軽くします。


社長の仕事は「数字を作ること」ではない

まず前提を整理しましょう。

  • 数字を正確に作る → 経理・税理士
  • 数字を判断に使う → 社長

この役割が曖昧になると、

  • 社長が細かい数字に埋もれる
  • 判断が遅れる
  • 経営が重くなる

管理会計ダッシュボードとは、

社長が“判断のためだけに見る数字”を切り出したもの

です。


月次で見るべき4つの数字

では、
スモールビジネスの社長が
毎月見るべき数字は何か。

答えは、
たったの4つです。


① 売上(または粗利)

売上そのもの、
もしくは業種によっては粗利

見るポイントは一つ。

「想定通りか?」

良い・悪いより、
ズレているかどうか。

ズレは、
必ず原因があります。


② 営業利益(または営業キャッシュ)

次に見るのは、
「最終利益」ではありません。

本業で、ちゃんと残っているか

これが、
営業利益です。

ここがマイナスなら、
どこかの設計が壊れています。


③ 固定費の総額

固定費は、
社長の意思が一番色濃く出る数字です。

  • 人件費
  • 家賃
  • システム
  • 外注費(固定化しているもの)

見るべきは、

「増えたか、増えていないか」

理由なく増えていれば、
黄色信号です。


④ キャッシュ残高(+前年差)

最後は、
やはりキャッシュ。

ここでは、

  • 残高そのもの
  • 前月との差

この2点だけで十分です。

増えたか、減ったか
そして、なぜか

第4回の内容が、
ここで生きます。


試算表をどう加工すればいいか

「でも、うちは試算表しかないんですが…」

問題ありません。

むしろ、
試算表こそ最高の素材です。

やることは3つだけ。

  1. 勘定科目をまとめる
  2. 月次で横に並べる
  3. 前月差を出す

これだけで、
立派なダッシュボードになります。


まとめると良い例

  • 売上
  • 原価
  • 粗利
  • 固定費合計
  • 営業利益
  • 現預金残高

細かい内訳は、見ない。

必要なときだけ、
掘ればいい。


税理士・経理との役割分担

ダッシュボードが機能するかどうかは、
役割分担で決まります。

経理・税理士

  • 正確な試算表を作る
  • ルールを守る
  • 詳細を管理する

社長

  • まとめた数字を見る
  • ズレに気づく
  • 判断を下す

社長が
「この数字、どういう意味?」
と聞ける状態が、
一番健全です。


数字に追われない仕組み

最後に、
管理会計を「習慣」に落とすコツです。

ポイントは3つ。

  1. 見る日は決める(毎月○日)
  2. 見る数字は固定する
  3. 見る時間は短く(15分)

深掘りしない勇気

これが、
数字に追われない最大のコツです。


管理会計は、仕組みが9割

ここまで来ると、
分かってきたはずです。

管理会計は、

  • センス
  • 数学力
  • 才能

ではありません。

仕組みで決まる

見る数字が決まれば、
迷いは激減します。


ゴール|管理会計を「習慣」に落とす

この回のゴールは、
とても実務的です。

毎月、同じ数字を見る
それを当たり前にする

それだけで、
経営は驚くほど軽くなります。


今日の「虎の穴」→ 見る数字を減らすと、判断は増える

社長が見るべき数字は、少ない
だからこそ、判断に集中できる


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