
―なぜ一生懸命やっているのに、成果が出ないのか?―
「ホームページを作り直したのに反応がない」
「SNSを頑張っているけど、問い合わせにつながらない」
「広告も試した。でも、手応えがない」
こうした声は、業種や規模を問わず、本当によく耳にします。
しかも厄介なのは、何もやっていないわけではないという点です。
むしろ、時間もお金もそれなりに投じている。それなのに、集客が安定しない。
この状態に陥っている社長を、現場で数多く見てきて気づいたことがあります。
それは、手法や努力の問題以前に、そもそもの「前提」がズレているケースが非常に多い、ということです。
今回は、集客が迷走してしまう社長に共通する
3つの前提ミスについて、構造的に整理してみたいと思います。
ミス①|「集客=人を集めること」だと思っている
まず一番多い前提ミスが、これです。
集客とは、とにかく人を集めること
アクセス数、フォロワー数、表示回数が増えればOK
一見、間違っていないように見えます。
確かに、人がいなければ問い合わせも発生しません。
ただ、ここで一つ問いを投げてみてください。
「その人たちは、何をしに来ている人ですか?」
この問いに、即答できない場合、かなり危険な状態です。
集まっているのは「お客さん候補」ではないかもしれない
例えば、こんなケースがあります。
- SNSで投稿がバズり、フォロワーが一気に増えた
- ブログのアクセス数が伸びている
- 無料プレゼントのダウンロード数が多い
数字だけ見れば、成功しているように見えます。
でも、問い合わせは増えない。売上にもつながらない。
これは、「人は集まっているが、相談する気のない人が集まっている」状態です。
集客とは、本来、
相談する可能性のある人を、
相談しやすい状態まで運ぶこと
です。
単に人を集めることとは、似て非なるものです。
集客を「入口」だけで考えると、必ず迷走する
多くの社長が、集客を「入口」だけで捉えています。
- どのSNSをやるか
- 広告を出すか
- SEOをやるか
でも本当は、集客は入口から出口までの一本の流れです。
入口だけを強化しても、その先が設計されていなければ、
人は「見て終わり」「読んで終わり」で帰っていきます。
これが、
「頑張っているのに成果が出ない」
最初の落とし穴です。
ミス②|「いい商品なら、いずれ伝わる」と思っている
次に多いのが、この前提です。
うちは、ちゃんとした仕事をしている
本当に困っている人なら、分かってくれるはず
この考え方自体は、とても誠実です。
実際、技術力や中身がしっかりしている会社ほど、こう考えがちです。
ただ、集客の現場では、これはほぼ機能しません。
人は「正しさ」では動かない
冷静に考えてみてください。
あなた自身が何かに困ったとき、
最初から「一番正しい会社」「一番本質的な会社」を探しているでしょうか?
多くの場合、
- 今のモヤモヤを分かってくれそう
- 自分の状況を言葉にしてくれている
- 相談しても大丈夫そう
こうした感覚的な一致で、最初の一歩を踏み出しているはずです。
つまり、
商品がいいこと
正論であること
と、
相談したくなること
は、まったく別物なのです。
「伝える努力」と「伝わる設計」は違う
現場でよく見るのが、
- サービス説明がとても丁寧
- 理念や想いがしっかり書かれている
- 情報量も十分
それなのに、反応がないケースです。
これは、
「伝える努力」はしているが、「伝わる設計」になっていない状態です。
人は、自分の困りごとを
- 断片的
- 感覚的
- 曖昧
にしか認識していません。
その状態の人に、
いきなり完成された答えを提示しても、刺さらないのです。
ミス③|「何をやるか」から考え始めてしまう
三つ目の前提ミスは、思考のスタート地点です。
まずは、何をやればいいですか?
SNS?広告?ブログ?
この質問が出た時点で、集客はかなり迷走しやすくなります。
なぜなら、これは手段から考えているからです。
手段は「後」から決めるもの
本来の順番は、こうです。
- 誰が
- どんな状態になったときに
- 相談したくなるのか
これを言葉にしたあとで、
「じゃあ、その人にどうやって出会うか?」を考えます。
ところが多くの社長は、
- みんながやっているから
- 業者に勧められたから
- なんとなく必要そうだから
という理由で、手段を選んでしまう。
結果、
- あれもこれもやっている
- でも、軸がない
- やめ時も分からない
という状態に陥ります。
集客が「施策の寄せ集め」になると失敗する
SNS、ブログ、広告、チラシ、紹介…。
これら自体が悪いわけではありません。
問題なのは、それらが
- どうつながっているのか
- どこに向かっているのか
が、社長自身の頭の中で整理されていないことです。
集客がうまくいかない会社ほど、
施策は多いのに、構造がありません。
3つの前提ミスに共通する、たった一つの問題
ここまでの3つを整理すると、
実はすべて、同じところに行き着きます。
それは、
「お客さんの頭の中」を起点に考えていない
という点です。
- 人を集めることが目的になっている
- 正しさを伝えようとしている
- 手段から入ってしまっている
これらはすべて、
自分側の都合から集客を考えている状態です。
集客とは、本来、
社長がやりたいことを広める行為
ではなく
相手が相談に踏み出すまでのプロセスを設計すること
です。
では、どうすればいいのか?
ここまで読んで、
「じゃあ、何から考え直せばいいのか?」
と思われたかもしれません。
答えはシンプルです。
- 誰が
- どんなタイミングで
- どんな言葉を探しているのか
この3点を、
徹底的に言語化すること。
次回以降、このシリーズでは、
- なぜ多くの集客が“点”で終わるのか
- なぜ改善しても成果が続かないのか
- なぜ数字を見ても判断できないのか
といった、
構造的な落とし穴を一つずつ解きほぐしていきます。
今日の一言
集客がうまくいかない原因は、努力不足ではない。
「前提」がズレたまま、頑張ってしまっているだけだ。
ここに気づけるかどうかで、
集客の景色は大きく変わります。
