②STEP2 提供価値設計|言葉を変えない限り構造は変わらない


事業構造が変わらない本当の理由は「言葉」にある

市場を見直し、
「どこで戦うか」が少し見えてきた。

すると多くの社長が、次にこう言います。

  • 「あとは、どう売るかですね」
  • 「値付けを工夫すれば、いけそうです」
  • 「集客を強化すれば…」

気持ちはよく分かります。
ですが、ここで一度立ち止まってください。

あなたの会社は、
自分たちの“価値”を、ちゃんと言葉にできていますか?

もし、

  • 昔から同じ説明を使っている
  • ホームページの文章が何年も変わっていない
  • 営業トークが属人化している

このどれかに心当たりがあるなら、
事業構造が変わらない原因は、
「やり方」ではなく「言葉」にあります。

STEP2は「提供価値」を再設計する工程

STEP2のテーマは、
提供価値設計です。

ここでいう提供価値とは、

  • 商品・サービスの機能
  • 技術力やノウハウ

そのものではありません。

提供価値とは何か?

この講座では、提供価値をこう定義します。

提供価値 =
「顧客が、お金を払ってでも手に入れたい変化」

つまり、

  • 何ができるか
    ではなく
  • それによって、顧客はどう楽になるのか
  • 何が解決されるのか

ここを言語化する工程が、STEP2です。

なぜ「言葉」を変えないと構造が変わらないのか

少し厳しいことを言います。

会社の構造は、
社長と社員が使っている言葉でできています。

  • 「うちは安さが売りだから」
  • 「この業界はこういうもの」
  • 「お客さんは分かってくれない」

こうした言葉が、
知らないうちに、次のことを決めています。

  • 価格の上限
  • 顧客層
  • 受ける仕事・断る仕事

つまり、
言葉が先で、数字や行動は後。

だからこそ、
言葉を変えない限り、
どれだけ頑張っても構造は変わらない
のです。

ワーク①|「うちは何屋ですか?」に答えられますか?

STEP2で、最初にやるワークはこれです。

あなたの会社は、何屋ですか?

この質問に、
10秒以内で答えられるでしょうか。

しかも、

  • 専門用語を使わず
  • 同業者ではなく
  • 初対面の人に向けて

説明する必要があります。

ありがちなNG回答

  • 「〇〇業です」
  • 「△△の支援をしています」
  • 「幅広く対応しています」

これらはすべて、
提供価値ではなく、業種説明です。

顧客が知りたいのは、

  • で、結局、何がどうなるの?

ここなのです。

ケーススタディ:IT会社の言葉を変えた例

あるIT系の会社は、
こう説明していました。

中小企業向けに、業務システムを提供しています

一見、間違っていません。
ですが、これでは、

  • どこにでもありそう
  • 違いが分からない
  • 価格比較されやすい

という状態でした。

そこで、言葉をこう変えました。

紙やExcelで回っている業務を、
社長が“数字で判断できる状態”にします

すると、

  • 問い合わせの質が変わり
  • 値下げ交渉が減り
  • 話が早くなった

という変化が起きました。

やったことは、
言葉を変えただけです。

ワーク②|顧客の「不満」を価値に翻訳する

次のワークは、
顧客の不満を洗い出すことです。

STEP1で選んだ市場を思い出しながら、
次の質問に答えてみてください。

  • 顧客は、何にイライラしているか
  • どこで手間取っているか
  • 何を「仕方ない」と諦めているか

ここで重要なのは、
自社の強みを考えないこと。

あくまで、顧客側の視点に立ちます。

不満は、提供価値の原石

例えば、

  • 「業者の説明が分からない」
  • 「結局、何が正解か分からない」
  • 「相談しても、結論をくれない」

これらはすべて、
価値に変換できる不満です。

  • 分かる言葉で説明する
  • 判断基準を示す
  • 決断を助ける

こうした表現に変えた瞬間、
単なる作業が、提供価値になります。

ワーク③|「機能」ではなく「変化」で語る

次にやるのが、
機能を変化に言い換える作業です。

例で見てみましょう

  • NG:
    • 高品質な施工
    • 経験豊富なスタッフ
    • 丁寧な対応
  • OK:
    • 工事後に「これで安心」と言える状態
    • 初めてでも判断に迷わない状態
    • 専門知識がなくても任せられる状態

機能は、
顧客にとっては手段です。

顧客が欲しいのは、
その先にある変化です。

提供価値が曖昧だと、必ず価格で揉める

提供価値設計が弱い会社ほど、
次のような状況に陥ります。

  • 「他社はいくらですか?」
  • 「もう少し安くなりませんか?」
  • 「違いがよく分からない」

これは、
顧客が悪いわけではありません。

価値が言葉になっていないから、
価格でしか判断できない
のです。

逆に言えば、
提供価値が明確になると、

  • 比較されにくくなる
  • 値引き交渉が減る
  • 話が早くなる

という変化が起きます。

STEP2のゴールは「正しい表現」を決めること

STEP2で目指すゴールは、
キャッチコピーを作ることではありません。

社内で使う、共通言語を決めること。

  • 社長が説明するとき
  • 社員が顧客と話すとき
  • サービス内容を説明するとき

同じ言葉で、
同じ価値を語れる状態。

これができると、

  • 判断が揃い
  • 無駄な仕事が減り
  • 構造が安定し始めます。

提供価値は「盛る」ものではない

最後に、大事な注意点を一つ。

提供価値設計は、
格好よく見せる作業ではありません。

  • 無理に高尚な言葉を使う
  • 実態以上の表現をする

これは、後で必ず歪みになります。

大切なのは、

  • 今、実際に提供できている価値
  • 顧客が本当に感じている変化

これを、
正確な言葉にすることです。

今日の一言

事業構造を変えたいなら、
最初に変えるべきは「価格」でも「集客」でもない。
社長と会社が使っている「言葉」だ。

言葉が変われば、
判断が変わり、
行動が変わり、
数字が後からついてきます。


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